民事訴訟の判決書の写しを偽造したなどとして、有印公文書偽造・同行使などの罪で有罪判決を受けた元弁護士の男性(北九州市)(34)が7日、佐賀市の佐賀県弁護士会館で行われた弁護士向けの倫理研修で講演した。
男性は2月、民事訴訟の依頼を放置したことが発覚するのを免れるために、判決書の写しを偽造して依頼人に渡したなどとして福岡地裁で懲役2年、執行猶予4年の有罪判決を受け、確定している。
同会は、所属する弁護士に男性の話を聞いてもらい、再発防止につなげようと企画。約40人が参加した。
講演後に報道陣の取材に応じた男性は、事案を先延ばしにし、依頼者への謝罪が続いたことなどがきっかけで、「謝罪したくないと思い、うそにうそを重ねた」と当時を振り返った。また、「人助けをしたくて弁護士になったのに、正反対のことをするのは苦しいし、被害を受けた依頼者はもっと苦しいと思う。自分が話すことで、苦しい思いをする人をなくしたい」と語った。