東日本大震災の発生から14年を迎えた11日、新潟県三条市では、発生時刻の午後2時46分に合わせて市内で避難生活を送る被災者らが黙(もくとう)をささげ、献花を行った。滝沢亮市長は「亡くなった方々の冥福を祈り、避難者に変わらず寄り添っていこうと決意した」と述べた。
避難者を代表して最初に献花した福島県南相馬市出身の大学生、高野光輝さん(21)は「14年があっという間に過ぎていった」と振り返った。同市の自宅に帰ることもあるが、「14年たっても震災当時と同じように人がおらず、家だけが朽ちていっている感じ」と述べ、復興とはほど遠い現状を明かした。
高野さんは平成23年3月16日ごろ、東京電力福島第1原発事故により三条市に避難してきた。現在は、開志専門職大学(新潟市)のアニメ・マンガ学部3年生で、「将来はアニメ関係の仕事に就き、震災を題材にした作品も作ってみたい」と話した。
高野さんの母、アエ子さん(50)も式典に参加し、「3月が来ると当時を思い出し、不安な気持ちになる」と語った。
三条市では10日現在、福島県からの51人(22世帯)が避難生活を送る。この日の式典には避難者や市民ら24人が参加した。
新潟県内の避難者は2月末現在、1755人。