〈〈ライバー女性刺殺〉「付き合わないってはっきり言われた、そりゃそうだよねー」“友達もいなかった”高野容疑者の知人が告白「痴情のもつれではない」「消費者金融でも金を借りて…」 〉から続く
3月11日、東京都新宿区で動画配信サイトのライブ配信中、“視聴者”でもある男にサバイバルナイフで刺され死亡した「最上あい」こと佐藤愛里さん(22)。彼女と警視庁が殺人未遂の現行犯で逮捕した高野健一容疑者(42)との間には、数年間に及ぶ金銭トラブルがあった。そのトラブルについて報じた♯4に続き、さらなる深層を伝える。
【衝撃のLINE画像】「12月くらいに(最上さんと)電話で話したんだけど、家にいない時に警察が…」
500円のソフトクリームの支払いをカードで『分割払いでお願いします』
♯4で取材班に証言してくれた高野容疑者の知人はこう続けた。
「健さんは、最上さんの『お金は返す』というメッセージを最初は信じていたと思います。でも3年近く経っても返ってこないので、弁護士に依頼したり、栃木警察署に相談したり色々やっていましたが、返ってきたのは最初に貸した3万円だけだと話していました。だから実際に、お金には相当困っていたと思います。
彼と食事した際も『最上さんのせいで気が滅入っておかしくなりそうだ』と打ち明けてくれました。2023年10月に私の自宅の最寄り駅まで来てくれたときには、『申し訳ないけどお金がないから帰りの電車賃を貸してほしい』と頼まれたほど、彼は金銭的に困窮していました」
その当日、2人はカフェに赴いたのだが、支払いを済ませた知人に高野容疑者は『ていうか俺200円しか使ってない』と気まずそうにしていたという。知人は当時をこう振り返った。
「自分も健さんがお金に困っているのは知っていたので『貸した3000円は返さなくてもいいから』と言いましたた。この日の話題は『お金を返さないのに彼女はSNSで華やかな生活を自慢している』とか『少しでもお金を返してくれたらラクになるのにな』といいった最上さんに対する不満でした。
去年の11月にも健さんに会ったのですが、その時はご馳走してくれました。私が貸したお金を返してくれるというので、それならご飯を食べようということになり、小料理屋みたいなところに行きました。健さんはここでは現金で支払っていましたが、別の場所で私のためにソフトクリームを買ってくれた時にはびっくりしました」
知人が驚いたのも無理はない。高野容疑者は500円のソフトクリームの支払いをクレジットカードで『分割払いでお願いします』と会計したからだ。
「考えてみれば給料は16万円と言っていたし、そこから家賃や携帯代に加えて借金まで払っていたらほとんどお金なんて残らなかったと思います。普段の食事も写メで送ってきてくれていましたが、自炊でごはんに味噌汁とサラダ、といった具合に質素だったし、月に1度給料が出たら食べるマックが自分へのご褒美と言っていました。
その一方で、最上さんは貸したお金も返してくれない。さらに彼氏と一緒にタワマンに住み、ポーカーに興じるような姿をSNSや配信で公開していたのですから、それを見た健さんはたまらない気持ちになったんだと思います」
「元カレの会社に借りたお金を返しているので財産がない」
そんな「健さん」を苦しめたのは、貧しい暮らし以上に、自身が「借金をしている」という切迫感だったようだ。
「仮に最上さんが本当にお金がなくて、きつい生活をしていたら、健さんもお金が返ってこなかったとしても怒りは覚えていなかったかもしれません。去年の11月19日に最後に会った時も穏やかな様子で、『これから裁判始まるんだよね。これでお金が返ってきたらいいなあ。そうしたらもっといい物を食べられるのに』とニコニコしていました。
健さんは今まで一度も借金をしたことがなかったらしく『借金がなかったら精神的に辛くなかったのにな』とよくこぼしていました」
高野容疑者は佐藤さんとのトラブルを警察にも相談したり、返金を求めて訴訟をおこしたりもしたが、その流れで意外な「事実」を知ることになったという。
「結局、お金に関しては最上さんが健さんに最初に返した3万円以外は返ってきていません。警察に相談しても解決とはいかず、民事裁判で最上さんに支払命令が出たのにお金は戻ってこないという状況でした。
健さんは『月1万円でも返してくれればそれでいい』と言っていましたが、今年の1月31日に東京地裁立川支部で最上さん立ち合いのもと財産の状況などを確認したら、最上さんは銀行口座に800円しか持っていなかったそうです。
最上さんの『ふわっち』でのプラチナプラスというランクなら、少なくとも月に100万円~200万円くらい稼げていたはずです。実際、彼氏と旅行に行ったり、タワマンでの優雅な暮らしぶりをSNSにあげていたのに、お金がないというのは私も信じられませんでした。
最上さん側の言い分では、SNSであげているタワマンに一緒に住んでる男性は彼氏ではなく元カレだという事でした。最上さんは元カレが社長をしている会社で働いているので、社長と従業員として一緒に暮らしていると主張したそうです。
その元カレの会社に借りたお金を返済したり、何かの病気で入院した際の入院費を滞納していて、それを払っているから最上さんの手元には月3万円しか残らず財産がないということでした。健さんはお金を払いたくないから財産を隠すためにそのような設定にしているとこぼしていました」
八方塞がりの状況に追い込まれた高野容疑者は犯行を決意する。
♯6では最上さんと高野容疑者の事件直前の“やりとり”を詳報する(♯6へ続く)
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取材・文/集英社オンライン編集部ニュース班