《占い師・濱田淑恵被告(63)の信者2人が証言》入水自殺させた信者の遺族年金880万円を偽装して受け取り…“創造神”が夜中の海で叫んだ「まさかの一言」

和歌山県で男性信者のAさん、Bさん2人に自殺をそそのかし、死亡させたなどとして逮捕された自称占い師・濱田淑恵被告。その信者である滝谷奈織(なぽり)被告は自殺ほう助などの罪に、寺崎佐和子被告は有印私文書偽造・同行使などの罪に問われ、それぞれ逮捕・起訴されていた。そして9月10日、滝谷、寺崎両被告の第2回公判が大阪地裁で開かれた。
信者だった両被告は、”創造主”を自称する濱田被告の強い精神的支配の下にあったといい、濱田被告の指示のもと、入水自殺の幇助や被害者の遺書の偽造などの犯罪に加担した。濱田被告は信者の前で性交してみせるなど、常軌を逸した行為をすることもあったという。
濱田被告に入水自殺を持ちかけられた時、滝谷被告は命令に従い、寺崎被告は断ったという。2人の話の内容からは、濱田被告による異様な支配の様子や、被害者2人の無念が浮き彫りになった裁判ライターの普通氏がレポートする。【全3回の第3回。第1回から読む】
カルマの清算に2000万円
滝谷被告や寺崎被告ら、信者たちの生活費は、当初、濱田被告のカウンセリングによる収入によるものだった。しかし濱田被告の金遣いの荒さもあり、その後、信者たちは濱田被告の指示のもと、親族らに金を無心することとなった。
寺崎被告によると、「両親や寺崎被告のカルマの清算」などとして2000万円強、その他の用途も併せて合計で約3000万円を濱田被告に上納したという。逮捕時も濱田被告に渡すためとして、1500万円を用意していた。
またその間、技術者として高名であった被害男性・Aさんを中心に、オーディオの会社を設立していた。従業員はみんな信者であり、会社の売り上げは信者たちの生活費となった。後に寺崎被告が代表取締役を務めることとなったが、大型の案件が停止したことにより、事件前より経営は苦しくなっていた。
寺崎被告によると、濱田被告の身体には地球の神が降臨しており、人類と地球のカルマを清算していた。しかし、ある時から濱田被告のパートナー男性の身体に宇宙の神であるエロヒムが入ったことで、カルマの清算ができなくなったという。
弁護人は被告人らが信仰する世界について一つ一つ丁寧に質問していく。一般には理解が難しいと思われる内容であったが、寺崎被告はなんとか伝わるよう詳細に答える。その様子から、濱田被告が説いていた世界観は、確かに被告人らの中にある──あるいはあったのだろうと感じさせた。

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