劇団民藝の俳優・水谷貞雄さん死去 91歳 最年長で読売演劇大賞優秀男優賞受賞 大河ドラマにも出演

劇団民藝演技部所属の俳優、水谷貞雄(みずたに・さだお)さんが9月29日午前4時22分、心不全のため東京都町田市内の病院で死去した。91歳。横浜市出身。同劇団が10日に発表した。葬儀は7日に家族葬にて執り行われた。喪主は妻の水谷ゆりさん(劇団民藝の俳優・田畑ゆり)。

早大法学部卒業後の1956年に劇団民藝附属水品演劇研究所に入所し、同俳優教室を経て59年に同研究生、62年に同劇団員となった。

58年に「法隆寺」群衆で初舞台を踏んだ。「冬の時代」「オットーと呼ばれる日本人」「審判」「櫻の園」「林檎園日記」「グレイクリスマス」「静かな落日」「集金旅行」など多数の舞台に出演。「アンネの日記」ではオットー・フランク役を務めた。2020年には「新・正午浅草―永井荷風―」の永井荷風役で読売演劇大賞優秀男優賞を受賞。当時86歳で最年長受賞だった。同作で22年7~8月に中部北陸を巡演(20ステージ)、88歳での旅公演だった。

外部出演は94年のNHK大河ドラマ「花の乱」、85年の「真田太平記」など。「シマンテック」「ニトリ」のCMにも出演した。

10年からは妻の田畑と「水田の会」を発足し「ジン・ゲーム」などを各地で上演。昨年6月の公演が最後の舞台となった。

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