高市内閣の法務大臣・平口洋氏が政治資金から3年間で“地球34周分のガソリン代”支出、平口事務所は「適正に処理しています」

「ガソリン減税」の実施が決まった。高市内閣はガソリン価格に上乗せされている暫定税率の廃止で野党と合意し、1リットルあたり約15円値下げされる。一世帯あたりのガソリン代が年間約4900円減ると試算されている。
物価高騰のなか、マイカー族には朗報だが、国民以上に喜んでいそうな大臣がいる。高市早苗・首相から「不法滞在外国人の対策強化」の指示を受けて就任した平口洋・法務大臣だ。
政治資金収支報告書によると、平口氏の政党支部(自民党広島県第二選挙区支部)と政治団体「平口洋後援会」は3年間(2021~2023年)に合計約818万円のガソリン代を支出している。当時の平均ガソリン価格で計算すると、使ったガソリンは合わせて4万7899リットルだ。
コロナ禍だった2021年でも、支部と政治団体あわせて290万8630円のガソリン代を支出、当時のガソリン代で1万8178リットルのガソリンを消費したことになる。
政党支部や政治団体がリースなどで保有する車種のカタログ燃費をもとに計算すると、3年間で「地球約34周分」走った計算なのだ。
平口事務所は支部と政治団体で4台の車を保有しているが、土日を除いて毎日300キロ以上フルで走っても使い切れないほどのガソリンになる。
広島2区は広島市内が中心で面積は広島5区の4分の1ほど。地元を取材すると、政界関係者がこう話した。
「平口先生は77歳と高齢で、事故で足を悪くされているので自分で運転することはないと思います。普段、秘書が選挙区中を回るような活動をしている印象はありませんが、選挙の時は企業や団体回りに力を入れている姿を目にします」
収支報告書にガソリン代の支出先として記載のあるガソリンスタンドの従業員に聞くと、「2台くらいを事務所の人が代わる代わる乗っているような感じでした。平口さん本人が運転しているところは見たことがない。支払いは平口洋後援会の名前でしたね」と話す。
現地を取材すると、すべてが平口事務所の車かは不明だが、5人ほどの事務所スタッフが8台ほどの車を交代で乗っている様子が確認できた。スタッフの数も車の数も多いようだ。日頃の政治活動でこれだけのガソリン代を使っているということなのか。
平口事務所に聞くと、こう説明した。
「ご指摘の政治団体については、政治資金規正法にのっとり、それぞれ適正に処理しています」
平口氏は国土交通省出身。旧建設省に入省すると道路局に配属、その後、中部地方建設局総務部長や日本道路公団総務部長を歴任して道路畑を歩いた”道路建設のプロ”でもある。言ってみればガソリン税で道路をつくってきた人物だ。
今回の暫定税率廃止で道路の補修費用の財源が足りなくなるとの指摘もなされているが、少なくとも平口氏にとって、”政治資金のガソリン代が少なくて済む”という状況をもたらすのは確かなのだろう。
※週刊ポスト2025年11月21日号

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