「手動バルブの操作に問題」H3ロケット8号機打ち上げ直前で緊急停止 JAXAなどが原因説明

今月17日、H3ロケット8号機の打ち上げが直前で中止となった原因について、宇宙航空研究開発機構=JAXAなどは、地上の冷却システムにあるガスの手動バルブの操作に問題があったとする調査結果を発表しました。
H3ロケット8号機は、今月17日に種子島宇宙センターから打ち上げられる予定でしたが、ロケットなどを冷却する設備に異常が検知されたため、直前で中止されました。
直前の打ち上げ中止の原因は手動バルブ
JAXA=宇宙航空研究開発機構と三菱重工業はきょう20日の記者会見で、打ち上げ時の燃焼ガスや音から地上設備などを守る地上の冷却システムで当時、冷却に使う窒素ガスを放出する手動バルブの開き方が不十分だったということです。
何が起きた?詳しく
これまでは窒素ガスを放出する手動バルブが十分開いているかどうか、定規で計測していました。しかし、計測か所が狭く計測しにくかったことなどから、規定の開き具合に達しているかを確認する器具を新たに作っていました。
確認器具は、本来は開閉指示板とよばれる部品の外側を基準に測る設計でした。しかし、現場では開閉指示版の内側を基準に測っていたということです。
その結果、本来の位置より開閉指示板の位置が下になり、バルブが開きかたが不十分になっていました。
打ち上げ日は22日に再設定
検証の結果、JAXAは「設備自体に問題はない」として、H3ロケット8号機の新たな打ち上げ日時を12月22日午前10時51分30秒に決定しました。
H3・8号機には、日本版GPS衛星「みちびき5号機」が搭載され、カーナビなどの位置情報精度の向上や災害情報の発信などに役立てられます。

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