40度の高熱で衰弱した6歳児の背中の上で何度も飛び跳ねたという叔父 虐待死…母親らが語った「叔父の一家支配」と我が子への謝罪「守ってあげられなくてごめんね」きょう母親らに判決【神戸6歳児虐待死裁判】

3年前、神戸市西区で6歳の男の子がスーツケースに入れられた状態で遺体で見つかった事件。虐待死させたなどとして逮捕・起訴されたのは男の子の母親とその3人のきょうだい。このうち男の子の叔父にあたる穂坂大地被告(34)以外の3人に、14日判決が言い渡されます。去年11月から行われた裁判から見えてきたのは、叔父・大地被告による家族らへの暴力など支配的な状況でした。そして裁判は、修ちゃんが亡くなったあの日の出来事に進みます。【裁判を振り返る】「にいにい嫌い」から始まった6歳児らへの暴行 鉄パイプ曲がるほど殴られ…暴力による一家支配の実態 きょう母親らに判決【神戸6歳児虐待死裁判】
高熱を出す修ちゃん…何度も背中の上で飛び跳ねられ…心臓の音は聞こえなくなった

2023年6月19日、修ちゃんは40度の高熱を出し、排泄物を漏らしてしまいました。大地被告は祖母らに修ちゃんのズボンなどを処理させたあと「(修ちゃんを)こんな風にしたのはだれや?」と言い、祖母を鉄パイプで複数回殴りました。
その後、衰弱していた修ちゃんに母親はパンを食べさせようとしますが、修ちゃんは飲み込めない状態でした。その様子を見た大地被告は、修ちゃんの母親を風呂場に連れ出し、首を絞めたうえで「お前のやり方が悪い」と言いました。大地被告はパンがなかなか飲み込めない修ちゃんの口を開けさせ、指を突っ込んではきださせたうえ、「お前がゆっくり食べているから罰を与えないといけない」と述べ、両手で修ちゃんの首を絞めていました。そのとき修ちゃんは足が浮きそうになるほどに締め上げられていたといいます。
その後、大地被告は怒り、修ちゃんを横にして母親に鉄パイプで修ちゃんを殴るよう指示、母親は修ちゃんの背中を何度も殴りました。その後、大地被告は修ちゃんの背中の上で何度も跳びはね、踏みつけると、修ちゃんは動かなくなっていました。呼吸をしていないことに気が付いた母親らは人工呼吸を行いましたが、息が戻ることはありませんでした。
息子を助けようとは?母親「できないくらい精神が破壊」

当時の状況について母親は次のように法廷で述べました。
(検察官)「修ちゃんが亡くなったと、いつ気づきましたか?」

(母親)「大地が心臓の音を確認しようと行ったときです」

(検察官)「心臓の音は聞こえましたか?」

(母親)「聞こえませんでした」

(検察官)「どう思いましたか?」

(母親)「悲しい気持ちでした」

(検察官)「救急を呼ばなかったのは?」

(母親)「思いましたが大地に否定されました。救急を呼んだ方がいいと言いました。でも自分は医者だから治せると言われました」

(検察官)「息子を助けようとは思わなかった?」

(母親)「実行できないくらい精神が破壊されていました」
修ちゃんの心臓の音が聞こえなくなった後、大地被告は昼寝をしていましたが、その隣にいた母親は‥
(検察官)「昼寝もできませんでしたよね、あなたは何をしていた?」

(母親)「修のことしか考えられなかったです」

(検察官)「修ちゃんをかついで交番には行かなかった?」

(母親)「出られないように扉に鍵が閉まっていました」
母親「ずっと修の遺体をかばっていたが…大地が邪魔だと」

大地被告は昼寝の後、修ちゃんの遺体について次のように話をしていたと証言します。
(検察官)「昼寝の後に修ちゃんをキャリーに入れましたね、その流れは?」

(母親)「大地が考えました」

(検察官)「何と言ったのですか?」

(母親)「このまま死体を家に置いておくことはできんと」

(検察官)「それで?」

(母親)「修を捨てると言い出しました」

(検察官)「どう思った?」

(母親)「複雑でした。どうして自分の息子を捨てないといけないんだろうと」

(検察官)「捨てることになったのは何があったのですか?」

(母親)「私がずっと修の遺体をかばっていたのですが、大地が邪魔だと言ったからです」

(検察官)「大地は何と?」

(母親)「邪魔ものが消えるからその方がいいと」

(検察官)「大地の指示は?」

(母親)「お前らは人質やと言われました」
大地被告は、修ちゃんの遺体をスーツケースにいれるよう母親と叔母Aに指示しました。この時の様子について叔母Aは「悲しくて、修ちゃんがかわいそうで、なんでそこに入れるのかわからなかった」と話し、指示されたもののスーツケースに入れることができず、大地被告が「俺がやる」と言いスーツケースに入れたと証言しました。
母親「外に出られたら遺骨を迎えに行きたい」

法廷では、母親が弁護士に依頼をして修ちゃんの葬式が行われたことも明らかになりました。葬式には修ちゃんが通っていた保育園の先生らも出席し、お経を読んでくれたり、子どもたちから折り紙や手紙が送られたといいます。今後の事について聞かれた母親は‥
(弁護人)「外に出れたら何をしたい?」

(母親)「修の遺骨を迎えに行きたいです。守ってあげることができなくてごめんなさい。母親にしてくれてありがとうって伝えたいです」

(弁護人)「逮捕されてから何を考えていますか?」

(母親)「ずっと、修を守ってあげられなかったことをずっと悔やんでいました」

(弁護人)「どうすれば修くんを守れた?」

(母親)「助けを求めていれば、こんなことにならなかったと思います」
また、叔母Bは修ちゃんへの想いについて問われ「チビちゃんに謝りたい気持ちでいっぱいです」「もっといっぱい守ってあげられなくてごめんね」などと述べました。
検察「外部に助け求められた」弁護側「大地被告に精神的に支配された」無罪など求める

弁護側は「大地被告が家族に日常的に暴力をふるい、軽度の知的障がいや強迫性障害をかかえ、大地被告の暴力により『マインドコントロール』を受けて精神的に支配されていた。修ちゃんに対する暴力も被告の指示で逆らえない状況だった」などとして、無罪や執行猶予付きの判決を求めました。
一方で検察側は「3人は行為が違法であると認識しながら、外部に助けを求めるなど適法な手段を選ぶことは十分可能だった」と指摘、母親に懲役8年、叔母2人には懲役7年を求刑しました。
判決は14日午後に言い渡されます。

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