【緊迫】クマ捕獲の最前線「生態は明確に変わってきている」生活圏に迫る脅威

きょうは関東など広い範囲でおでかけ日和となりましたが、そんな中、心配なのがクマ被害です。山菜取りの最中にクマに襲われたとみられる被害も相次ぎ、各地で警戒が続いています。捕獲の“最前線”で取材班が目にしたのは、クマが思わぬ場所で罠にかかる実態でした。(サタデーステーション5月9日OA)
カメラが捉えたクマ捕獲
一気に暖かくなった日本列島。山のレジャーも活発になる一方で、クマとの関連が指摘される死亡事故が相次いでいます。山形県酒田市では5日、山菜採りのために山に入ったまま不明となっていた高齢男性の捜索中に遺体を発見。また、岩手県八幡平市では、7日、山中で、女性の遺体が見つかっています。遺体の顔にはひっかき傷があり、クマに襲われたものとみられています。
サタデーステーションが向かったのはその八幡平市のすぐ隣の岩手県滝沢市。9日朝、クマ1頭が、箱わなで捕獲されました。「ガチャガチャ」と音を立ててクマが箱から顔の覗かせました。
猟友会のメンバー

「メスだな。メス」

「やっぱりあれここだったんだなこないだの」
滝沢市では、今月初めにもこの場所で1頭捕獲されていて、他にもクマがいる可能性があると警戒していました。体長1メートルほどのメスだったということです。箱わなを設置していた場所は、住宅地からおよそ100mほどの山の入口です。
滝沢猟友会 佐々木幸文会長

「今まで山の奥にいかないとまずクマを発見すること今は民家のそばで発見できますからね」
滝沢市では猟友会のメンバーら29人態勢で市街地に出没するクマなどの対応にあたっています。
滝沢猟友会 佐々木幸文会長

「まだ住宅街に出てくる可能性がありますので、それを何とか捕獲して地域住民に安心を与えたいと思います」
山菜採り中に襲撃か 遺体発見相次ぐ
クマに襲われたとみられる事故の多くは、“山菜取り”のさなかに起きています。9日も、山形県内で山菜採りをしていた50代の男性が背後から現れたクマに後頭部や顔をかまれ、顔の骨を折る大ケガをしています。
マタギの“目線”で見る山菜採りの現場
山菜採りとは、実際どんなところに入っていくのでしょうか。
16代目マタギ 松橋翔さん

「これをまとうことによって里のにおいを消して、山になじむ、山の気配になる。山に入る準備を整えるというマタギの儀式になります」
クマの狩猟を専門とした「マタギ」の伝統を引き継ぐ松橋さん。クマ対策のプロによる山菜採りのツアーの様子をボディカメラをつけて取材させてもらいました。
16代目マタギ 松橋翔さん

「川が流れていると、クマ鈴の音がかき消されるので、ホイッスルで大きい音を出した方がいいです」
ホイッスルで音を鳴らして存在を知らせます。9日は雨もちらつく天候のため、安全に配慮して、一部の行程は車での移動に変更して進めました。
16代目マタギ 松橋翔さん

「これはタラノメですね。手前にコシアブラあります」

「ここがまさにマタギの猟場のひとつ。杉林にはクマとかが寝ている可能性があるところなので一回ホイッスルを鳴らします」
松橋さんの目線から見てみると、高い樹木の間にの背の低い草木や身を潜められるような起伏などがあることがわかります。
16代目マタギ 松橋翔さん

「その場の場当たり的なところでやるというのは一番危ない行為だと思いますので」

「クマ出没していないからと言って、丸腰で行くって猪野はまた違う」

「正しい知識をもって行動していただければ」
生活圏に迫るクマの脅威
その秋田県では、ひとの生活圏のすぐそばにもクマの脅威が迫っています。8日秋田県大仙市で撮影されたこの写真では木登るクマの姿。場所は、ショッピングセンターの駐車場のすぐ横。動画には警察車両などが警戒に当たる中、小走りに走っていくクマの様子が見て取れます。
動画を撮影した人

「1時間くらいいました。クマ自体は」

「ここをずっとぐるぐる回ってるっていう」
車が行きかう道路のすぐ横の土手を下っていく様子も。写真には、警察車両が映り込んでいて、現場が緊迫していたことがうかがえます。
動画を撮影した人

「とにかく驚き。そこで出てくるのかと。やっぱり境界線がなくなったみたいな感じ」
「生態は明確に変わってきている」人を恐れないクマ
クマとの関連が指摘される事故は4月以降、相次いでいます。最も死者数が多かった2025年度は13人。

今年は関連が疑われる事案はすでに3件です。
16代目マタギ 松橋翔さん

「クマの生態としては明確に変わってきてるかなと思います」

「里に近いクマも、増えていますし、人を恐れないクマというのも確実に一定数増えてきていると感じています」
クマの生態に詳しい 石川県立大学 大井徹 特任教授

「これまでクマがいなかったところで起きているというところが、大きな今年の特徴だと思います」
この先さらにクマの出没は増えるのでしょうか。
クマの生態に詳しい 石川県立大学 大井徹 特任教授

「ブナについては春先の調査で、しっかりと花がついてという報告がされています」

「(今後の)気象条件が平年どおりであれば、ドングリ類が、十分に実る」
東北では、木の実が豊作が期待できるため、去年ほどの出没にはならないと指摘する一方で、注意が必要なのは西日本だといいます。
クマの生態に詳しい 石川県立大学 大井徹 特任教授

「どんぐり類の豊作は連続するということはないので、今年は凶作になる可能性があります。そのためには注意が必要です」

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