宗教法人法に基づく解散が命じられた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の清算手続きで、献金被害者らからの債権の申し立てが20日に始まった。期限は来年5月20日まで。清算人は1年間にあった申請から債権総額を確定させ、教団が保有する資産から弁済に充てる。手続きが終了すれば宗教法人格が消滅して解散となるが、数年を要する可能性が高い。
申し立てはオンラインか郵送で受け付ける。東京地裁が選任した清算人の伊藤尚弁護士ら清算人団が献金記録や説明内容などから、教団が弁済すべき債権に該当するかを判断する。信者・元信者の他に信仰していた親を持つ「宗教2世」も申し立てできる。宗教2世の損害賠償請求権がどこまで認められるのかが争点となる可能性がある。
清算終了後に残金があれば、教団の後継団体や国庫などに引き継がれる。弁済額が資産を上回れば教団は破産する。教団側は解散を命じた東京高裁決定を不服として最高裁に特別抗告しており、判断が覆れば清算手続きは停止する。
3月4日付の高裁決定は、1973年から約40年間で確実な献金被害は506人計約74億円に上ると指摘。再発防止策を取ったとする2009年のコンプライアンス宣言以降も被害は続いているとした。教団の収入は献金が97%以上を占め、24年度末時点の保有資産は1040億円、うち現預金は668億円と認定した。
清算人団は4月20日時点で400億円の現預金を確認し、不動産約200件を順次売却するなどして資産の流出を防ぐ方針。
全国統一教会被害対策弁護団と全国霊感商法対策弁護士連絡会は20日に記者会見し、全面救済を実現するためには清算人による柔軟な債権の認定が必要だと訴えた。
被害対策弁護団には東京高裁の決定以降、300件超の相談が寄せられているという。村越進弁護団長は「潜在的な被害者は膨大。賠償が行われる最後の機会となる可能性があり、積極的に申し出てほしい」と呼びかけた。全弁連の山口広代表世話人は「すべての被害者を救済するために、今後も清算人に対し求めることは求めていく」とした。
債権の申し立て方法は清算人ホームページ(https://ffwpu-seisan.jp/)から確認できる。【安元久美子、古瀬弘治】