所属議員が1人になった中道改革連合が多額の政党交付金を受け取った問題を巡り、同党の渡辺創代表(49)が、「 週刊文春 」の取材に対し、政党交付金の使途として「各総支部への支部活動費交付」などを挙げた。近く解散が確実視される政党が、落選した候補の活動費を政党交付金から捻出することを事実上認めた形で波紋を呼びそうだ。
来年も存続していた場合、約17億円が配られる見込み
中道は今年1月中旬、立憲民主党と公明党の衆院議員で結党した。だが、先の衆院選(2月8日投開票)で惨敗。議席数を公示前の167から49まで激減させた。
「その後、立憲、公明との3党合流を目指したものの、8月末に頓挫。結局、9月9日、立憲出身者と公明出身者が離党する『分派』による解体を決めました。立憲出身者は新たに『民主改革の会』を結成し、小川淳也氏が代表に就任。公明出身者は復党することになりました」(政治部記者)
しかし、中道の“解体処理”は大きな波紋を呼ぶ。
「『残務処理のため』という理由で国会議員を1人だけ残し、党を存続させました。結果、中道は10月20日に約5.8億円の政党交付金を受け取った。これには有権者から『血税ドロボー』などと批判の声が噴出しました。中道は今年12月にも約5.8億円を受け取る予定です」(同前)
さらに、来年も党が存続していた場合、総務省担当者によれば、「単純計算で約17億円が配られる見込み」だという。今年10月分と12月分を合わせれば、約29億円が所属議員1人の中道に流れ込むことになる。
枝野氏や安住氏、岡田氏ら有名政治家が軒並み落選していた
そんな中道の“ひとり代表”に就いたのが、立憲出身の渡辺氏だ。SNS上では「詐欺グループの“受け子”」とも揶揄されているが、一体、どんな人物なのか。
「2021年の衆院選で立憲から初当選を果たした。立憲の創設者・枝野幸男氏の最側近として知られ、2024年の代表選では推薦人や会見の進行役を務めるなどしています」(中道関係者)
では、渡辺氏は手にした政党交付金をどのように使うつもりなのか。
「小川氏は『選挙費用の支払いに充てる』としていますが、それでも余剰金が出るはず。来年支給分(約17億円)については『答える環境にない』と口を濁していましたが、基本は受け取る方向でしょう。なぜなら、中道に籍を残したままの立憲出身の落選議員たちの面倒を見なければいけないからです」(同前)
中道は2月の衆院選で中堅若手のみならず、枝野氏や安住淳氏、岡田克也氏ら有名政治家が軒並み落選していた。
「落選した総支部長の多くは赤字を抱えながら、次期衆院選を目指している。手にした政党交付金は、懐事情が苦しい彼らに支給されることになるのでしょう」(同前)
「事務作業の終了は来年1~2月になる見通しです」
当の渡辺氏はどのように答えるのか。取材を申し込んだところ、主に以下のように書面で回答した。
――政党交付金の受け取りに批判が出ていることについて。
「手法の複雑さを含め厳しい指摘があることは承知しており、謙虚に受け止めています。中道改革連合の財務対応は、収支確定後の監査法人による監査などを踏まえると、事務作業の終了は来年1~2月になる見通しです。その時点で2026年分の政党助成金に残額が生じた場合は、国庫への返納も含め適切に対応してまいります。
現在、190近い政党支部の閉鎖手続き、会計処理などを順次進めています。政党助成金については、各政党支部の残額を確定させたうえで、党本部が取りまとめて返還する複雑な手続きを経るため、額の確定は現時点ではできません。なお、国への返還時期は総務省が定めるため、政党で判断するものではありません。
来年度の政党助成金については、受給資格は来年1月1日に発生するものの、受給は4月後半からのため、その時点での対応は合流後の組織で判断することになります。民主改革の会の小川淳也代表は『今後の組織のあり方も踏まえ、制度上の扱いを確認した上で、改めて明確にご説明する』とされていると認識しています」
落選した候補が代表を務める総支部に政党交付金が
――政党交付金を、中道改革連合の支部などに分配する予定はあるか。
「政党助成金は、一部法律や党内規等による制約はあるものの政党活動全般に使用できる政治資金です。今年の助成金は、各総支部への支部活動費交付や政党本部運営経費など政党活動全般に幅広く活用させていただいています。なお、中道改革連合を離党した者(現職、非現職問わず)が長を務めた総支部に対して、離党後に新たな交付金を支出することはありません。また、民主改革の会の総支部に対しての支出もありません」
つまり、今年分の政党交付金について、民主改革の会の総支部などには支出しないものの、中道の総支部には支出すると理解できる。落選した候補が代表を務める総支部の多くはまだ解散されておらず、政党助成金が流れ込む可能性があるのだ。
――中道の新代表に就いた経緯について。立候補したのか、推薦だったのか。
「立候補した事実はありません。分流前の執行役員会の全体意思として決定しました。形式的には議員総会で階猛幹事長が役員全体の意思として推挙し、決定しました。当時、『組織委員長』兼『役員室長』、『選挙対策委員長代理』として執行役員の一員でした。政党整理に伴う党務の大半が自らの所掌する範囲であることを踏まえ、応諾しました」
――政党交付金の受け取りにあたり、枝野氏には相談するなどしたのか。
「尊敬し、ご指導を戴いている先輩ですが、ご質問のようなことは一切ありません」
《現在配信中の「 週刊文春 電子版 」ならびに10月29日(木)発売の「週刊文春」では、多額の政党交付金が中道に支給される理由、渡辺氏の経歴や人物像、渡辺氏や枝野氏への直撃取材の様子などについて詳報している》
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2026年11月5日号)