創価学会が11月18日、池田大作名誉会長が11月15日夜に新宿区の居宅で老衰のため亡くなったことを発表した。享年95。近親者のみで家族葬が執り行われ、お別れの会を別途開催するという。
池田氏は1928年1月2日生まれ、東京都出身。1947年に創価学会に入会し、1960年に第3代会長に就任。世界54か国・地域を訪問して、各国の指導者や著名人らと対談し、「国連平和賞」などを受賞。約20年間の在任中、創価学会の飛躍的発展をもたらした。1975年、国際的組織「SGI(創価学会インタナショナル)」の発足にともない、同組織の会長に就任。1979年に創価学会名誉会長となった。
逝去が発表された11月18日は、創価学会の創立記念日でもある。日刊機関紙である聖教新聞は同日、「池田大作先生は共戦の師弟旅を歩む全国・全世界の同志に3首の和歌を詠み贈った」と報じていた。創立記念日らしいお祝いムードの報道だっただけに、SNSを中心に違和感を覚える声が上がっている。全国紙記者が明かす。
「池田氏は近年は第一線を退き、表舞台から姿を消していました。そのためネット上では、〈とっくの昔に亡くなっているが、創価学会がその事実を伏せている〉という死亡説が長年ささやかれてきました。それだけに〈なぜ11月18日の今日、発表されたのか〉と逝去から発表までの“空白の3日間”の意味を深読みするような投稿が飛び交っています」
なぜズレが生まれたのか
空白の3日間が生まれた背景とは──。宗教専門誌『宗教問題』編集長である小川寛大氏に見解を聞いたところ、「陰謀めいた深い事情はないと思います」との答えだった。
「創立記念日というおめでたい日にわざわざ訃報を伝える意味は特にないはず。学会側にメリットがなく、意図的に発表を3日待ったということはありえないのではないでしょうか。池田氏が亡くなっていることを学会側が把握していたのであれば、18日朝に発行された聖教新聞の紙面がこんなにお祝いムードになるわけがありません。むしろ、組織の中枢に近い学会員たちでさえギリギリまで知らなかったという印象を受けました」(小川氏、以下同)
小川氏によると、もともと学会側は池田氏の近況を細かく把握しているわけではなかったという。
「数年前に学会の上層部の人と話したとき、『ご家族がお世話をされており、創価学会が組織として日常的に池田名誉会長と接するような状況ではない。池田名誉会長が何をしているのか、学会はリアルタイムで知っているわけではない』と明かしていました。
ネット上の死亡説にも話題が及びましたが、『戦国時代じゃあるまいし、亡くなっていることを伏せる意味がない。メディアに先に逝去を発表されたら赤っ恥なので、もしわかったら即発表する』と語っていました。ポスト池田体制の組織システムが完成して久しく、池田氏の逝去が明らかになったからといって、組織が崩壊するということはありません。逝去を意図的に隠していたわけではなく、事務連絡などで3日空いたというだけのことだと思います」
陰謀めいた憶測が飛び交うのは、それだけ“池田大作”という存在が大きかった証拠か。