南足柄、女性狩猟団体のジビエ施設 公金投入も半年で休業 運営者は雲隠れ

国の交付金を使い、神奈川県南足柄市の公共施設を女性狩猟団体「ジャパン・ハンター・ガールズ」(同市)が改修し、4月から運営するジビエ処理加工施設が、開設からわずか半年あまりで休業状態となっていることが23日、分かった。工事業者への改修費用の支払いもされず200万円以上の公金と寄付金が消えた形で、団体側と連絡が取れない状態が続いている。関係者は「公金も投じたのに行政が団体側に任せきりだったのが原因」と憤っている。
ジビエ施設は「足柄森林公園丸太の森」(同市広町)内の使われていなかった施設(約30平方メートル)に洗浄スペースや加工室を整備。駆除したイノシシやシカなどを解体し、ジビエ肉として加工できる。将来的には食肉流通や地域の「食育」の拠点も目指していた。
団体は狩猟免許を持った女性ハンターたちで構成され、2月には市などと協定を結び、指定管理者としてオープン当初から施設を運営した。開設資金約1400万円のうち、約620万円を農林水産省の鳥獣被害防止総合対策交付金から捻出し、2021年にクラウドファンディング(CF)で集めた約250万円の寄付も充てられた。
市によると、施設は今年10月23日から休業しており、団体代表者とも連絡が取れなくなったという。休業の理由すら聞かされていない市担当者は「工事も終わり、本来ならしっかり運営されているはずなのに。代表者が今どこにいるかさえ分からない」と困惑している。

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする