熊本市内の私立高校の男子生徒が昨年度、運動部の上級生から暴行を受けて一時不登校となったことがわかった。学校は24日、いじめ防止対策推進法に基づく「重大事態」と認定した。ただ、学校側は当初、重大事態に認定せず、熊本県が複数回にわたって認定するよう助言していた。
学校や生徒の保護者によると、生徒は昨年5月以降、上級生から殴られたり、「死ね」といった暴言を受けたりした。学校は昨年、外部からの通報などを受けて調査し、上級生を無期限停学などの処分とした。一方、生徒は6~9月、約40日間欠席。国が重大事態の目安とする年30日間の欠席日数を超えたが、学校側は認定していなかった。現在は別室登校をしている。
県は学校から報告を受けた今年5月以降、学校に複数回、重大事態と認定するよう助言していたが、今月まで認定しなかった。学校側は読売新聞の取材に「事案を調査する第三者委員会の設置準備が整ったら認定しようと考えていた」と釈明した。第三者委は弁護士や臨床心理士ら3人で構成する方針。生徒の保護者は「暴行があった時点から学校は適切な対応ができていない」と話した。