薬物事件で揺れる日本大学アメフト部について、大学側が廃部にする方針を固めたことがわかりました。アメフト部の現役部員がJNNの取材に応じ、「自分たちの夢が終わった」と話しました。
きょう午前、険しい表情で自宅を出た日大の林理事長。アメフト部の薬物事件をめぐり、おととい、新たに3人目の逮捕者が出たのです。
こうした事態を受け、日大ではきのう、アメフト部を廃部にする方針が示されたのです。
日大アメフト部は1940年の創部以降、学生王者を決める大会で21回の優勝を誇る強豪校。2018年には「悪質タックル問題」が起き、部の指導体制などが問題視されたものの、再発防止に努めてきました。
現役のアメフト部員がきょう、JNNの取材に応じ、複雑な胸中を打ち明けました。
日本大学アメフト部 現役部員「きのう、外部から知ることがないように、先に連絡だけ流しておくということで(連絡が)きた。自分たちの人生、目標や夢だったものがいきなり終わってしまった。絶望感とかが大きかった」
廃部の連絡を受けたほかの部員の様子は…
日本大学アメフト部 現役部員「みんな『つらい』とか『どうにか続けられないのか』という話だとか、自分たちの目標がなくなって本当つらいの一言。問題を起こしてしまってからも、始められるように話し合いの場を設けたり、皆で立ち直っていくための道を歩んでいたときに、いきなりその道が閉ざされてしまった」
日大は、アメフト部の廃部を正式に決定した際には速やかに公表するとしています。
一方、大学本部ではさきほど、午後5時から林理事長らが出席する臨時の理事会が開かれています。
一連の対応の責任めぐり、理事会では先週、酒井健夫学長と沢田康広副学長に辞任を勧告。関係者によりますと、沢田副学長は勧告を受け入れ、きょう辞任届を提出する方針だということです。
今回の“決断”について沢田副学長は…
沢田副学長「引責辞任に納得はしていないが、学内の混乱を避けるために辞任を受け入れる」
沢田副学長は業務の引き継ぎなどに「時間がかかる」として、年内を目途に辞任する意向を示しているということです。