整形手術に失敗した医師「鏡を見なければいい」…急増中の“悪徳美容クリニック”信じられない実態

「綺麗になりたい」「モテたい」などのコンプレックスにつけ込み、強引な契約やずさんな施術をする美容クリニックの被害が後を絶たない。刑事告訴や集団訴訟にも発展した被害者の声とともに、患者をカモにする卑劣な実態に迫る。 ◆世界第3位の整形大国・日本。トラブルが急増中… いつの間にか世界第3位の整形大国と言われるようになった日本。 昨今、美容医療に関するトラブルが急増している。8月30日付の国民生活センターの発表によると、美容医療サービスに関する相談件数は、’22年度が3709件と過去5年で最多となり、約2倍に増加。 今年度は7月末までの4か月で1800件以上にのぼり、昨年の同時期と比べてほぼ倍となった。 東京都消費生活総合センター相談課長の高村淳子氏が、その内容を解説する。 「相談内容は大きく分けて2種類。高額な施術を勧められて解約・返金したいといった契約に関するケースと、皮膚障害や出血など術後に身体的な危害を抱えてしまったケースです」 ◆「キャンセル料150万円」悪徳クリニックが患者を陥れる手口 では、悪徳なクリニックはどのように患者を陥れていくのか。SNSなどで悪徳美容クリニックの問題を啓蒙している城本クリニック福岡院院長の小川英朗氏はこう語る。 「美容医療は自由診療なので、料金に決まりはありません。だからこそ強引に契約に漕ぎつけようとします。例えば、2万円程度の二重手術を希望してきた患者に、『瞼が厚いから効果が出にくい』『安価だと針が太いから危険』と、煽りながら50万円ほどの施術を推奨し、『でも今日なら半額でできる』と揺さぶって契約を迫るのは常套手段です」 さらに悪質な事例もある。小川氏が続ける。 「虚偽の年収や貯金額を書かせてローンを組ませるクリニックもあります。患者さんが予算的に厳しいと断ったら、『キャンセル料として150万円払え』と脅したり、保険証を返却せずに軟禁状態にするといった被害もあります」 押しの強い勧誘に負けて施術を承諾したら、もう後戻りできない。 「施術後は、ポイ捨てするかのように豹変する医師もいて、『成功した』との一点張りでトラブルが起きても対処しないことや、『ネットに書き込んだら名誉毀損で訴える』と脅してくることも。また、医療機器を偽装するところもある。『ポテンツァ』という人気の美肌治療機器の名前に似せて『ポテン◯』と一文字変えて、優良誤認させるといった手法です」

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