36人が死亡した京都アニメーション放火殺人事件の裁判は、最終段階の「量刑」に関わる審理が行われています。12月6日に行われた被告人質問の中で、青葉被告は初めて謝罪の言葉を口にしました。(検察側)この法廷で「家族全員の心が死んだ」「心が麻痺した」など、言葉を絞り出した方々への感情は?(青葉被告)それはやはり、申し訳ありませんでした、という形にしかなり得ない(検察側)なぜ今まで吐露しなかった?(青葉被告)やりすぎた、ということに、こういうところの事を言っている部分はあると思う(検察側)36人の命を奪い、34人の命を奪いかけた、重篤な後遺症を負わせた、それをあなたがしたということは自覚できている?(青葉被告)正直に申し上げると、あまりに自分のやったことの大きさに対して、目を背けることが多いのが否定できません。また、遺族らが行った意見陳述について、弁護側から感想を尋ねられた青葉被告は、「ひとりひとりに目標があり、応援する家族もいたのにそのすべてを握りつぶしてしまった。悔いがある」と話しました。続いて、検察側からも意見陳述の受け止めを求められると「それはやはり申し訳ありませんでしたという形にしかなり得ない」と述べ、初めて謝罪の言葉を口にしました。これまでの裁判で青葉被告は、「浅はかだったと思っている」「後悔がやまほど残る事件になった」などと後悔を示す言葉などを口にする一方で、遺族らに対して明確な謝罪の言葉はありませんでした。さらに検察側は、「遺族の意見陳述の中で、極刑を望む意見があったことはどう思うか」と尋ねました。これに対し、青葉被告は、「やはり、その通りに、それで償うべきだと捉えております」と回答しました。青葉被告の裁判では「刑事責任能力」の有無や程度が最大の争点となっていて、これまでに検察側が「完全責任能力があった」との主張したのに対し、弁護側は「事件当時は心神喪失だった」と無罪を求めています。裁判は7日に検察側が求刑を示す最終論告と、弁護側の最終弁論で結審し、来年1月25日に判決が言い渡される予定です。