京アニ放火殺人、検察が青葉真司被告に厳しい刑を求刑か…京都地裁で最終論告が始まる

36人が犠牲になった2019年の京都アニメーション放火殺人事件で、殺人罪などに問われた青葉真司被告(45)の裁判員裁判の第22回公判が7日午前、京都地裁(増田啓祐裁判長)であり、検察側の最終論告が始まった。検察側は厳しい刑を求めるとみられる。
6日の第21回公判で行われた被告人質問で、被告は「申し訳ございませんでしたという言葉しか出てきません」と述べ、犠牲者や遺族らに対し、初めて謝罪の言葉を述べた。遺族らが法廷で極刑を望む意見を述べたことについては「その通りに償うべきと捉えている」とも語った。
起訴状によると、被告は19年7月18日、京都市伏見区の京アニ第1スタジオにガソリンをまいて放火し、36人を殺害、34人を殺害しようとしたなどとされる。
青葉被告はこれまでの公判で、京アニに応募した小説が落選後、京アニに恨みを抱くようになったと犯行動機を説明。盗用や落選は「闇の人物」の指示だったと述べてきた。
起訴事実に争いはなく、最大の争点は被告の妄想が犯行にどの程度影響したのかだった。
検察側は11月6日の中間論告で、事件直前の行動や被告の法廷供述などから善悪を判断し、行動を制御できたことは明らかだと指摘。被告の妄想が犯行に与えた影響はなく、「完全責任能力があった」と強調した。
弁護側は同日の中間弁論で、被告は妄想の影響で犯行を思いとどまる力がなかったとし、事件当時は心神喪失か耗弱の状態だったと主張している。
7日午後に予定されている最終弁論で弁護側は、無罪や死刑回避を求めるとみられる。青葉被告による最終意見陳述もあり、結審する見通し。
9月5日に始まった公判は、長期に及ぶため〈1〉経緯や動機〈2〉刑事責任能力〈3〉量刑――の3段階に分けて審理された。判決は来年1月25日に言い渡される。

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