「イプシロンS」燃焼試験中の爆発 点火装置の金属部分の溶解・飛散による断熱材の損傷が原因と特定

今年7月、秋田県能代市のロケット実験場で燃焼試験中のエンジンが爆発した原因について、JAXA=宇宙航空研究開発機構は、点火装置の金属部品が溶け、飛び散ったことによって断熱材が損傷したことにあると特定しました。
今年7月、「JAXA能代ロケット実験場」で「イプシロンS」の第2段モーターの燃焼試験をしていたところ、開始から57秒後に異常が発生し、爆発による火災が発生しました。
JAXAは原因の分析を進めていましたが、その後の調査で、原因は内部にある点火装置の金属部品が溶け、飛び散ったことで断熱材が損傷したことにあると特定し、文部科学省の専門家部会で報告しました。
断熱材の損傷によってエンジンを覆う「モーターケース」と呼ばれる圧力容器に想定以上の熱が加わり、爆発したと分析しています。
JAXAによりますと、爆発で損壊した試験棟は損傷が激しいため修理は難しく、今年度内には撤去する見通しだということです。
イプシロンSの打ち上げ予定は2024年度後半でしたが、JAXAは、別の施設での試験や打ち上げ時期の見直しが必要かどうかも含めて検討しています。

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