自民党最大派閥・安倍派の政治資金パーティー収入の裏金化疑惑を受け、岸田文雄首相(党総裁)は13日の記者会見で、同派所属の閣僚を交代させる人事を14日に実施する方針を表明した。松野博一官房長官の後任に岸田派の林芳正前外相(62)、西村康稔経済産業相の後任に無派閥の斎藤健前法相(64)を充てる意向を固めた。高木毅国対委員長の後任には無派閥の浜田靖一前防衛相(68)の起用を検討している。
閣僚では松野、西村両氏に加え、鈴木淳司総務相、宮下一郎農林水産相を交代させる。新たな総務相には麻生派の松本剛明前総務相(64)を起用する方針。農水相には森山派の坂本哲志元地方創生担当相(73)が内定した。これにより、安倍派の閣僚はゼロになる。
首相は会見で「国政に遅滞を来さないよう全力を挙げなければならない。14日に速やかに人事を行う」と強調。会見に先立ち、公明党の山口那津男代表に電話し、辞表取りまとめを伴う内閣改造ではなく、辞任閣僚の補充人事とすると説明した。
安倍派4閣僚は14日に首相に辞表を提出。首相は山口氏と会談した後、人事を決定し、皇居での認証式を経て新体制を発足させる。
党役員では高木氏のほか、萩生田光一政調会長が14日にも辞表を提出する考え。2人の後任は2024年度予算案の編成作業が終わる今月下旬ごろに決める案が出ている。首相は新しい政調会長の人選を時間をかけて練る考えとみられる。
一方、世耕弘成参院幹事長は辞任する意向を固め、政権関係者に伝えた。これを受け、自民参院執行部は後任の調整に入った。首相は堀井学内閣府副大臣ら安倍派所属の副大臣5人も交代させる意向で、人選を急いでいる。
[時事通信社]