奈良市立小学校で同級生からいじめを受けた女子児童が自殺をほのめかす言葉を記したノートに、担任教諭が「花丸」を付けた問題で、市教育委員会は19日、調査報告書を公表した。12件のいじめ行為があったと認定し、担任がノートに花丸を付けた対応は不適切だったと判断した。
報告書は、女児が3、4年生だった2021~22年、同級生の男児から足を蹴られたり鉛筆で背中を突かれたりするいじめを受けたと認定。担任がノートに「わたしは死ねばいいのに」という女児の記載があるのを確認した後、すぐに管理職や保護者に報告しなかったことについても不適切だと指摘した。
市教委の久保田浩司・いじめ防止生徒指導課長は「配慮を欠いた不適切な対応だったと言わざるを得ない。女児や保護者に長期にわたり精神的な苦痛を与えることになった」と述べた。
女児の両親は「娘も私たちもつらい思いをしたが、一定の区切りを迎えた。学校と市教委は被害児童に寄り添う意識を持って対応にあたってほしい」とコメントした。