横浜市中区の若葉町とその周辺で今年に入り、路上で売春相手を探す外国人の「男娼(だんしょう)」の検挙が増えている。新型コロナウイルス禍で実施されていた水際対策が緩和されたことで、売春による「出稼ぎ」目的の来日が増加したとみられる。20日夜には、神奈川県警と県、横浜市の担当3部長らが状況を把握するため現地を視察した。
県警は今年に入って、若葉町やその周辺の路上で、タイやペルー国籍などの計5人の男性を、県迷惑行為防止条例違反容疑(客引きや客待ち)で検挙した。
売春は「売春防止法」で禁止されているが、取り締まりの対象は女性のみ。このため、県警は県条例に記された「売春類似行為」による客引きや客待ち容疑を適用し、男娼を検挙している。一方で、現行の条例では取り締まりが難しいケースもあり、県議会では条例改正も視野に議論が進んでいる。
県警によると、若葉町とその周辺では少なくとも10年以上前から男娼の姿が確認されていた。だがコロナの水際対策が実施された影響などで、2020~22年に検挙された人はいなかった。
20日夜は3部長らが若葉町とその周辺や、「ぼったくり」による被害が急増している歓楽街の福富町地区も視察した。県警の鈴木雅己生活安全部長は視察後、「自治体や地元の人とも連携して、地域の安全のためにも一層の対応をしていきたい」と話した。【園部仁史】