警察庁はきょう、悪質な違反をした自転車の運転手に対して、いわゆる「青切符」を交付し、反則金を求める「交通反則通告制度」を導入するため、道路交通法を改正する方針であることを明らかにしました。
自転車の指導、取り締まりをめぐっては、これまで悪質性が低いものについては「指導警告」を、警察官の警告に従わずに違反行為を繰り返すなど、交通事故に結びつくような危険なものについてはいわゆる「赤切符」を交付し書類送検してきました。
警察庁によりますと、去年1年間の「赤切符」の交付は2万4549件と、この10年間で3倍以上になっていて、「赤切符」を交付する際に調書の作成に時間がかかったり、違反者は後日、当局に出頭しなければいけなかったりするなど、警察と運転手双方の負担の大きさが、指摘されていました。
こうしたことを受け、警察庁は、事務手続きの合理化と、摘発が増加する中で実効性のある取り締まりの両方をおこなうため、自転車にも、自動車や電動キックボードなどと同じく道路交通法を改正して「交通反則通告制度」を導入する方針を明らかにしました。
この制度が導入されれば、悪質な自転車の運転手には「青切符」が交付され、反則金を納付すれば刑事処分は行われません。
対象は16歳以上で、反則金の額は原付バイク並みとし、違反内容によって異なりますが、5000円から1万2000円程度で検討されています。
「青切符」の対象となるのは、携帯電話を使用しながらの運転のほか信号無視や一時不停止などですが、警察官の警告に従わなかったり、歩行者の通行を妨げるなど悪質な場合に限るほか、通勤通学など事故の発生が多い時間帯や駅の周辺など事故が起こりやすい場所を中心に取り締まる方針です。
酒酔い運転など危険な違反については引き続き「赤切符」を交付して刑事処分を求めます。
また、警察庁は1月から3月の早生まれの高校生も卒業までに車の普通免許を取得できるよう、仮免許の取得年齢をこれまでの18歳から17歳6か月に引き下げる方針です。