沖縄県沖縄市で昨年1月、高校生だった男性(19)のバイクを止めようとして警棒が接触し右目を失明させたとして、業務上過失傷害の罪に問われた当時沖縄署勤務の巡査で宮崎県警の警察官の男(31)に那覇地裁(佐藤哲郎裁判長)は25日、検察側の求刑通り罰金100万円の判決を言い渡した。
4日の初公判で被告は起訴内容を大筋で認めて謝罪。弁護側は起訴内容にあるバイクの速度以外は争わないとし、罰金刑が相当とした。被害者参加制度を利用した男性側は懲役刑か禁固刑の判決を求めていた。
男性は代理人弁護士の代読を通した意見陳述で「警察官は右目を一生元に戻らなくし、生活や人生を大きく変えた。僕の受けた被害の大きさにしっかり目を向け、厳重に処罰してほしい」と厳罰を望んでいた。
判決によると、被告は昨年1月27日未明、沖縄市宮里の路上で巡回中、職務質問のため走行中のバイクを停止させようとした際、接触を避けるべき業務上の注意義務を怠って警棒を差し出すなどし、男性に右眼球破裂などの重傷を負わせた。
事件後、沖縄署に数百人の若者らが集まり、一部が投石するなど騒動が発生。暴力団構成員の男(22)=公判中=が暴力行為法違反(集団的器物損壊)の罪で逮捕・起訴され、少年を含む計15人が摘発された。
県警は同年11月、法定刑がより重い特別公務員暴行陵虐致傷容疑で書類送検したが、那覇地検は今年6月、業務上過失傷害に罪名を切り替え在宅起訴した。当時の行為態様などから「職務上の注意を怠った過失」と判断したとしていた。