広島県安芸高田市の山根温子市議(67)が、石丸伸二市長(41)によるうその発言やSNS(ネット交流サービス)への投稿で名誉を傷つけられたとして、市長と安芸高田市を相手取り損害賠償を求めた訴訟の判決が26日、広島地裁であり、光岡弘志裁判長は名誉毀損(きそん)を認め、安芸高田市に33万円の賠償を命じた。
判決によると、石丸市長は2020年10月の市議会全員協議会で、山根市議から「議会を敵に回すと政策が通らなくなりますよ」などとどう喝されたと発言。その後もSNSに同趣旨の投稿を繰り返し、山根市議の社会的評価を低下させた。
光岡裁判長は、一連の発言や投稿を市長としての職務上の行為にあたるとし、市長個人に対する賠償請求は退けた。また、どう喝発言は山根市議によるものかどうか判然とせず、市長独自の解釈や誤った認識が差し挟まれている可能性もあると断じた。【中村清雅】