旧5千円札の肖像で知られる新渡戸稲造の資料を展示する「新渡戸記念館」(青森県十和田市)を巡り、建物を所有する十和田市と新渡戸家との民事調停が28日、青森地裁十和田支部で成立した。市が2024年3月に建物を新渡戸家に無償譲渡するとの内容。
記念館は1965年に完成した。市は2015年、耐震強度不足を理由に記念館の廃止を決めたが、新渡戸家が取り消しを求めて提訴。20年には、市が建物の明け渡しを求め提訴していた。
調停内容によると、新渡戸家は廃止決定の根拠となった耐震診断の結果を基に改修工事を行い、安全を確保すれば、資料の展示・観覧のため第三者を同館で受け入れることができる。