自民党派閥の政治資金パーティーを巡る政治資金規正法違反事件で、東京地検特捜部が「清和政策研究会」(安倍派)の下村博文・元文部科学相(69)から任意で事情聴取をしたことがわかった。下村氏は同派で実務を取り仕切る事務総長経験者で、特捜部は、派閥から所属議員側へのキックバック(還流)分が政治資金収支報告書に記載されなかった経緯などを確認したとみられる。
同事件を巡り、特捜部はこれまでに「5人衆」と呼ばれる派閥中枢の松野博一・前官房長官(61)、高木毅・前党国会対策委員長(67)、世耕弘成・前党参院幹事長(61)、萩生田光一・前党政調会長(60)、西村康稔・前経済産業相(61)と、同派座長の塩谷立・元文部科学相(73)への事情聴取を実施している。
安倍派ではパーティー券販売のノルマ超過分を議員側に還流していたが、同法の公訴時効にかからない2018~22年の5年間で還流分の計約5億円が派閥側、議員側双方の収支報告書に記載されていなかった疑いがある。
下村氏は18年1月~19年9月に事務総長を務めた。その後、同派の会長代理に就任したが、会長だった安倍晋三・元首相が昨年7月の銃撃事件で死去した後、同派が集団指導体制に移行したことに伴い、今年8月に執行部から外れていた。