【キーウ=工藤彩香】上川外相は7日(日本時間同)、ウクライナの首都キーウで、同国のウォロディミル・ゼレンスキー大統領やドミトロ・クレバ外相と会談した。上川氏は外相会談で、対無人航空機(ドローン)検知システムなどを供与するため、北大西洋条約機構(NATO)信託基金に約3700万ドル(約54億円)を拠出する方針を表明した。ロシアからのドローン攻撃に対する防空能力を強化する狙いがある。
外相会談後の共同記者発表で、上川氏は「ウクライナの美しい大地を再び目にすることができるよう、ウクライナを支え続けていく決意だ」と強調。クレバ氏は、NATO信託基金への日本の資金拠出について、「防空システムの支援によって、我々は戦うことができる」と応じた。
上川氏は、越冬支援として、可動式ガスタービン発電機5基の供与と、変圧器7台の輸送支援を行うことも表明した。女性や子どもに対する教育や保健医療、シェルター整備の支援も実施する考えを示した。
2月19日には「日ウクライナ経済復興推進会議」が東京都内で開かれる予定で、今回の訪問を通じ、ウクライナの復旧・復興支援に向けた現地のニーズを直接聞き取りたい考えだ。
ロシアの侵略開始以降、日本の外相のウクライナ入りは2例目。上川氏は、同国のデニス・シュミハリ首相とも会談した。
上川氏は、ポーランド経由でウクライナ入りし、7日朝(日本時間7日午後)に民間人虐殺があったキーウ近郊のブチャなどを視察した。