旧田中角栄邸火災、真紀子元外相が在宅 夫婦が避難、けがなし

8日午後3時20分ごろ、東京都文京区目白台1の公園にいた人から「田中角栄の家の方から煙が出ている」と110番があった。警視庁大塚署員が駆けつけ、田中角栄元首相(故人)の旧邸宅敷地内の建物から出火しているのを確認した。大塚署などによると、旧田中角栄邸の敷地内には出火当時、角栄氏の長女で元外相の真紀子さん夫婦がいたが避難した。けが人はいないという。
この火災で、敷地内にある建物2棟計約800平方メートルや建物南側の雑木林約10平方メートルが焼けた。午後9時20分ごろ鎮火した。真紀子さんは「線香を上げていた」と説明しているといい、大塚署や東京消防庁が出火との関係を含めて調べる。
現場はJR目白駅から東に約1・4キロの住宅街。隣接する目白台公園の事務所にいた副所長の男性(49)は「角栄邸で物騒なことが起きたなんてことは初めてだ」と話した。延焼を食い止めるため、公園の芝生のための設備で水をまくなどの対応をしたという。
旧邸宅はかつて、政財界の大物が出入りして「目白御殿」と称された。ロッキード事件で1976年に逮捕された角栄氏は85年、目白御殿で脳梗塞(こうそく)により倒れて、政治の表舞台から姿を消した。角栄氏の首相在任時は3000坪あったとも言われたが、相続にあたって一部が国に物納され、区が公園建設のため隣接地とともに買い上げたとされる。【加藤昌平、岩崎歩、李英浩】

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