知床観光船事故、遺族が検査担当の法人も提訴…「安易な目視で不具合を見逃した」

北海道・知床半島沖で2022年4月に観光船「KAZU I(カズワン)」(乗客乗員26人)が沈没した事故で、不十分な船体検査で事故が起きたとして、死亡した同船の甲板員・曽山 聖 さん(当時27歳)の両親が検査を担当した特別民間法人「日本小型船舶検査機構」(JCI)に計約1億800万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こした。提訴は昨年12月15日付。
国の運輸安全委員会が昨年9月に公表した船舶事故調査報告書は「ハッチの不具合が事故の発生に重大な影響を及ぼした」と分析。JCIが事故3日前の検査で開閉試験を省略し、目視のみでハッチが良好な状態と判断した点を問題視していた。
原告側は訴状で、JCIの検査員が安易な目視でハッチの不具合を見逃し、検査に合格させたと主張。検査員を監督すべき国と同様にJCIにも賠償責任があるとしている。原告側は昨年9月、国を相手取った訴訟を起こしたが、国側は争う姿勢を示している。
JCIは取材に「係争中のためコメントは差し控える」としている。

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