「土地がない」津波浸水域に仮設住宅 なぜここが…石川県の担当者「苦渋の決断」【news23】

能登半島地震の被災地では12日、仮設住宅の工事が始まりました。仮設住宅の予定地は、石川県・輪島市と珠洲市であわせて4か所。しかし、このうち3か所が津波浸水域に含まれています。石川県の担当者は「土地がなく苦渋の決断だった」と話しています。
「いい人やったよ」避難所で持病悪化か、86歳の男性が死亡
石川県能登町の避難所の一画に敷かれた白いマット…
避難している女性「富さんいい人やったよ、大好きやってん。死んでもうてね、かわいそうで、本当にかわいそうやったわ」
9日、ここで避難生活を送っていた元漁師の石多富男さん(86)がマットの上で冷たくなっているのを一緒に避難していた家族が発見。その後、病院に運ばれましたが、死亡しました。持病が悪化したとみられます。
能登半島地震の犠牲者はこれまでに215人。このうち災害関連死は14人に増えました。
「山間部が多く、土地がない」津波浸水域に仮設住宅
配慮が必要な人の一刻も早い2次避難が求められる中、仮設住宅の工事が始まりました。
被害が大きかった輪島市内に50戸、珠洲市内に65戸建てられる予定で、2月上旬から順次完成する見通しです。
しかし、心配なことが…
記者「輪島市の仮設住宅が建てられる場所ですが、目の前は海です。ここは輪島市の“津波浸水域”となっています」
この場所に津波ハザードマップを重ねてみると、津波浸水域に入っていることがわかります。なぜこの場所が選ばれたのか。
石川県の担当者「仮設住宅の建設にはまとまった平らな土地が必要だが、(輪島市と珠洲市は)土地柄として山間部が多く、津波浸水域を避けた土地をすぐに用意できない」
仮設住宅の予定地は輪島市と珠洲市であわせて4か所。このうち3か所が津波浸水域に含まれています。
石川県の担当者「とにかく一刻も早く被災者の方に住める場所を提供するため、苦渋の決断として津波浸水域を選んだ」
長年、輪島に住む人は…
輪島市民「もちろん海から遠いところのほうが安全だが、なかなかある程度広い場所を確保するのは難しいかもしれない。それほど悪い選択ではないと思う」
一方、仮設住宅に申し込んだという男性からは…
仮設住宅に申し込んだ人「すぐ近くのホテルに避難することになっていますけど、年寄りはそこまで走れるかどうか」

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