能登半島地震 発生から2週間 東日本大震災を経験した宮城県知事 住民の合意や自然の脅威「かなり難しい面も」

能登半島地震の発生から2週間を迎えた15日、東日本大震災を経験した村井嘉浩宮城県知事は「かなり動きは速い」と評価しつつも、街の復興・復旧に向けた住民の合意や自然の脅威について、「かなり難しい面もある」と語った。
大震災は、青森県から千葉県まで未曽有の被害を出した。村井知事は「(規模の面からも)同じように論ずるのは難しい」としたうえで、「政府としてはスムーズに支援を行っている。報道などによると、かなり動きは速い」と評価した。
大震災は2次避難に時間がかかり、経験がないだけに行動に移すのを躊躇(ちゅうちょ)する被災者もいた。「能登は住民が2次避難に協力的だ。仮設住宅の建設が始まったことも、被災者にとっては希望の光になっている。戸数はまだ少ないが、動き出したことを伝えることは重要だ」と話した。
被災地ではこれから、復興・復旧への動きが徐々に加速する。大震災と異なるのは、住宅が津波で流されたわけではなく、真下に壊れて残っていること。土地区画整理事業などでもう一度、街を作り直すことになれば、地元の合意や土地・がれきなどの権利関係が複雑に絡んでくる。
村井知事は「早い時期に合意の取り付けを行うことが大事だと思う。大震災では家屋が津波で流されたので、がれきが誰の財産なのか特定する必要がなく、一気に処理できた。今回は真下に落ちているので、被災者にとって大事な家財も残っている。それをどう扱っていくのか」と話した。
これから2次避難が始まれば、遠くに離れる人もいるうえ、亡くなった人の財産の扱いも浮上する。
「交渉のスピード感と丁寧さを合わせて処理していく必要が出る。そういうジレンマが顕在化してくるだろう」(村井知事)
大震災は数メートルの地盤沈下が確認されたが、能登は逆に土地の隆起が起きた。特に港湾では隆起に伴って港に海水がなくなり、掘削するのか沖に港を出すのかが今後の課題になる。
村井知事は「大震災の経験では、沈下した土地は5年~10年すると元に戻ってくる。埋め立てた土地がそのまま隆起し、船の乗船に階段がないと登れない所も出てきた。スピードも大事だが、難しい面もある」と振り返った。

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