断水の能登島で「井戸水風呂」=地震被災者、ほっと一息「ありがたい」―石川

能登半島地震で断水が続く石川県七尾市の能登島では、日帰り温泉施設「ひょっこり温泉 島の湯」が井戸水を沸かした風呂を用意し、同市の被災者向けに無料開放している。広い浴場で久々に汗を流した市民からは、「さっぱりした」「ありがたい」と感謝の声が上がった。
七尾市では、一部で蛇口から水が出る地域もあるものの、能登島を含むほぼ全域で断水が続いており、復旧のめどは立っていない。島の湯でも地震後、天然温泉が出なくなったが、井戸水なら普段通り出ることが分かり、無料開放を決めた。
同市の介護士中西篤志さん(37)は、15日に家族6人で施設を訪れた。「ちょうど良い湯加減でさっぱりした。感謝しかない」とほっとした表情。「風呂は1週間ぶり」と話す60代男性は、「疲れが取れて気分がいい」と笑顔で話した。
1日は地震発生を受けて急きょ施設を一時避難所として開放し、約80人の被災者を受け入れた。持ち寄った魚や野菜を食堂で調理して提供したほか、乳児を連れた家庭には他の人に気を使わないよう、カラオケルームを開放したという。
施設では午前9時から入浴の整理券を配っているが、毎日長蛇の列ができ、用意した500枚が1、2時間でなくなる。施設の運営法人の青山邦一代表取締役は「少しでも市民の役に立てるならやってみようと考えた。できるだけたくさんの人に使ってもらえれば」と語った。
[時事通信社]

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