支払い能力を超える高額な料金を請求し、多額の売掛金(ツケ)を女性客に背負わせる悪質ホストクラブの問題を巡り、ぼったくり行為などの法令違反があったとして、東京都公安委員会が歌舞伎町(新宿区)のホストクラブ2店舗を営業停止の行政処分にする方向で調整していることが、捜査関係者への取材で判明した。近く正式に決定する見通し。
捜査関係者によると、1店舗は2023年8月、店を出ようとした女性客を「飲まないと帰れない」などと言って引き留め、近くの現金自動受払機(ATM)で現金を引き出させたうえ、85万円を支払わせるなどしていたという。
都公安委は、この行為が都条例で規制するぼったくり行為に該当するとみている。都条例のぼったくり行為を適用し、ホストクラブに対して行政処分が実施されれば初めてのケースとなる。
また、別のホストクラブグループの1店舗は23年3月、18歳未満の少女を客として店に立ち入らせており、風営法に違反することが確認された。
ホストクラブの悪質な営業を巡っては、女性客が売掛金を払うために売春をするケースなどがあり、問題となっている。警視庁は23年12月、歌舞伎町のホストクラブなどへ一斉立ち入りを実施。調査した202店のうち7割超で、値段を表示せずに酒類を販売するなどの風営法違反が確認されていた。
ただ、今回問題となっている2店舗は一斉立ち入りではなく、警視庁による捜査の過程で法令違反が確認されたという。【加藤昌平】