オウム真理教元教祖の麻原彰晃元死刑囚=本名・松本智津夫、執行時(63)=ら執行された死刑に関する情報を開示しないのは不当だとして、弁護士とジャーナリストが23日、国に対し文書開示を求める訴えを大阪地裁に起こした。
訴状によると、原告は昨年6月、麻原元死刑囚や、死刑適用の基準「永山基準」で知られる連続射殺事件の永山則夫元死刑囚ら6人に関して法務省などに情報公開請求。死亡するまでの時間や心情などが記された書類の開示を求めたが、「刑の執行に支障を及ぼすおそれ」などを理由に、不開示か、執行日や名前のほかはほとんどが黒塗りで開示されたという。
原告側は、米国では執行の際、市民の立ち合いが義務付けられている州が複数あると指摘。「日本の現状では刑の残虐性を検証できない。情報開示を拒否しながら、(死刑容認が多い)世論調査の結果を制度維持の理由とするのは問題がある」と訴えている。
大阪地裁では、絞首刑の差し止めや執行の当日告知の違法性を訴える訴訟も起こされている。