「雨水で少しずつ洗濯していた…」被災地に移動式ランドリーが到着で「涙が出てくる」

能登半島地震の発生から3週間が経ち、断水が続く被災地で、『洗濯』を支援しようと「移動式ランドリー」が兵庫県養父市から石川県珠洲市に到着しました。 石川県珠洲市の避難所となっている小学校では約80人が避難生活を続けています。1月24日には校舎の屋根に雪が積もり、雪やつららが落ちて人に当たると危険だということから自衛隊が注意を呼び掛ける様子もみられました。 そんな小学校に設置された黄色のコンテナ。これが洗濯などの支援をする移動式ランドリーです。兵庫県の養父市を1月22日に出発した移動式ランドリーは、23日に石川県珠洲市に到着して、24日午前7時から避難者が洗濯できるようになりました。乾燥機付きの洗濯機が9台設置されていて、朝から大勢の避難者が洗濯をしていました。 珠洲市ではいまだにほぼ全域で断水が続いていますが、この避難所では電気は復旧し、自衛隊がろ過した川の水を使った入浴施設を開放。この水を使うことができるということで移動式ランドリーの設置が可能になりました。 移動式ランドリーが使えるのは午前7時から午後7時までとなっていて、避難所にいる人だけでなく誰でも無料で使うことができます。ただ、水が豊富にあるわけではないので、常駐している養父市の職員が洗濯を希望する人から聞き取り、調整をして洗濯してもらうということです。 利用者の中には地震の後で初めて洗濯ができたという人もいました。 (利用者)「10日ぶりですね。1回金沢まで行って洗濯してきたんです。コインランドリーで。その後はなかなか金沢はもう行けない。うれしいですよ。すごく。感謝感謝です」 (利用者)「水がないので、少しずつ雨水でちょっとずつ洗っていました」 (利用者)「今日は洗濯ができるということで、下着とかタオルとか本当に必要なものだけ1回洗濯させていただきました。本当にうれしいです。感謝しています。涙が出てくる。うれしいね、みんなのおかげでね」 冷たい井戸水や雨水で洗濯してきたという人もいて「手が冷たくて仕方がなかった」「すすぎが1回しかできず衛生面が気になっていた」さらに「津波の被害にあったので身に着けているものはほぼ支援物資で、ありがたいけれど十分には足りていないので、洗濯できるようになって良かった」という声も聞かれました。 今回、移動式ランドリーを提供した兵庫県養父市の運輸会社の社長は、洗濯して笑顔を見せた被災者の皆さんの様子を見て、「本当に良かった、この笑顔を見るためにやってきた」と話していました。 この移動式ランドリーの設置について、養父市は当面の間としていますが、珠洲市の水道復旧は早くても2月末から3月末となっていて、移動式ランドリーが被災者の助けになるとみられます。

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