犯行時の偽名メモ「発覚遅くなれば」 ALS嘱託殺人、被告医師が説明

難病のALS(筋萎縮性側索硬化症)の女性患者への嘱託殺人罪などに問われた医師の大久保愉一(よしかず)被告(45)の裁判員裁判公判が26日、京都地裁(川上宏裁判長)で開かれた。被告は患者の自宅を訪問した際、担当のヘルパーに偽名を書いたメモを渡したことについて「発覚が遅くなればいいと思った」と述べた。一連の行為の違法性を認識していた可能性がある。
検察側によると被告らは事件当日、24時間態勢で介護を受ける林優里(ゆり)さん=当時(51)=宅を訪問した際、記名を依頼したヘルパーに偽名を書いたメモ用紙を渡した。この日の被告人質問で理由を問われた被告は「発覚が遅くなればいいと思った」と述べた。
また共犯として起訴された元医師の山本直樹被告(46)が、法廷で大久保被告を「殺人鬼」と呼んだことへの認識も問われた。大久保被告は「いい気持ちはしない」とした上で、「僕をおとしめることで彼(山本被告)が(裁判で)いい立場になる。そういう決めつけをしたかったのでは」との見解を示した。

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