能登地震ボランティア、甚大被害の輪島と能登町いまだ入れず 5市町は金沢から日帰り活動

能登半島地震で甚大な被害を受けた石川県輪島市、能登町では、被災から1カ月たっても県による災害ボランティアの受け入れができない状況が続いている。道路などインフラの被害も大きく、受け入れ態勢が整わないためだ。現在、ボランティアを受け入れているのは七尾市など3市町。2月3日からは珠洲市など2市町でも受け入れが始まるが、金沢市からの日帰りでの活動を余儀なくされている。
県によると、災害ボランティアは事前登録制で、現在ボランティアの意向を登録している人は全国で約1万8700人。1月27日から七尾市、志賀、穴水両町の3市町で1日当たり約80人が活動を始め、がれきなど災害ごみの片づけや運搬などに従事している。
2月3日から9日までは、珠洲市と中能登町の2市町でも受け入れが始まり、個人と団体派遣合わせて1日当たり約150人が活動する予定。
ただ、これら5市町でも当面は金沢市内からバスで移動し、日帰りでの活動となる。被災地での活動時間は原則約5時間に限られ、金沢から最も遠い珠洲市では約4時間半しかないという。
さらに、被害の甚大な「奥能登」地方では道路の亀裂や崖崩れなどが多発。インフラの復旧がままならず、珠洲市でもボランティアの受け入れは1日12人程度と限定的なのが実情だ。県は「被災自治体の受け入れ要請をもとに派遣しており、輪島市、能登町では受け入れ態勢が整っていない状況」と説明する。
一方、民間団体などの中には、元日の発災直後からキッチンカーなどで被災地入りし、車中泊などをしながら炊き出し支援を続けている団体などもある。
能登地震の住宅被害は1月31日時点で、計約4万6000棟。このうち七尾市は1万1184棟、志賀町4760棟、穴水町は2305棟。輪島市は2082棟、能登町は約5000棟に上る。
県は「被災地で直接ボランティア活動ができなくとも、寄付や義援金という形で被災地を支えることもできる。ぜひ検討してほしい」と呼びかけている。

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