群馬県は3日、朝鮮人労働者追悼碑の行政代執行による撤去作業のため臨時閉園していた県立公園「群馬の森」(同県高崎市)を、同日午後から開園したと発表した。県は前日の2日午前、撤去終了を宣言し、更地に戻った園内の写真を公開していた。
公園は撤去作業が始まる1月29日から「混乱を避け作業員の安全を守るため」大小9カ所ある門を封鎖していた。追悼碑の撤去終了後、門の封鎖を解除し安全を確認し次第、閉鎖を解くとしていた。
群馬の森は昭和49(1974)年に開園された26・2ヘクタールの都市公園。園内には芝生広場やわんぱくの丘、ウオーキングやサイクリングロードなどの運動施設のほか、県立近代美術館や県立歴史博物館などの文化施設が並ぶ。
追悼碑は樹木の間を散策して歩く一角に、「政治的行事は行わない」との条件付きで平成16(2004)年4月、設置された。しかし式典で「強制連行の事実を訴え、正しい歴史認識を持てるようにしたい」などの発言があり県は26年、碑を管理する市民団体に許可を更新せず、裁判の末、令和4年、市民団体側の敗訴が確定。協議が平行線をたどったため、県は代執行による撤去に踏み切った。