関東甲信の広い範囲で降った5日の大雪では、東京23区を含めた平地でも積雪が観測され、高速道路が通行止めになるなどした。東京都全域など9都県で大雪警報が発令された。6日朝にかけて大雪が続くとみられ、通勤、通学に影響する可能性もある。
東京都港区のJR新橋駅前では5日夕、足早に帰宅する人たちの姿が見られた。茨城県龍ヶ崎市の会社員(44)は「いつもより30分早く仕事を切り上げてきた。電車への影響次第で明日はテレワークになるかもしれない」と不安そうに空を見上げた。
東京消防庁によると、降雪や路面凍結の影響で、都内では5日午後9時時点で、4~92歳の男女計40人が路上で転倒するなどして救急搬送された。重傷者はいないという。
気象庁によると、5日午後10時現在の積雪は、関東では前橋市11センチ、さいたま市8センチ、東京都心6センチ、横浜市、千葉市、宇都宮市3センチ。都心での1センチ以上の積雪は2022年2月に2センチを観測して以来。甲信では長野県飯山市66センチ、山梨県富士河口湖町26センチなどとなった。
交通に影響が広がった。
高速道路各社や国は5日正午頃から関東甲信や東海地方の広い範囲で車の立ち往生を防ぐための「予防的通行止め」を実施した。
5日午後1時半時点で通行止めになったのは、東名高速道路、新東名高速道路、中央道などの21路線164区間。首都高速道路の中央環状線や渋谷線の一部区間なども通行止めとなった。
これらの高速道路に並行して走る道に車が流入して渋滞や立ち往生を引き起こさないよう、国道についても8路線18区間で、通行止めの措置が取られた。
鉄道では、東海道新幹線が雪の影響で速度を落として運転したため、品川―熱海間で一部、遅れが出た。JR中央・総武線や横須賀線の一部区間で運転を見合わせたほか、中央線快速や京浜東北線、埼京線の一部列車に遅れが出ている。
航空各社も羽田空港を発着する路線を中心に100便以上が欠航した。全日空は6日についても27便の欠航を決めた。
気象庁によると、気圧の谷の影響などで関東甲信は6日朝にかけて大雪が続く見込み。6日午後6時までの24時間降雪量は多いところで、関東北部の山地40センチ、箱根から多摩地方や秩父地方と甲信30センチ、関東北部と南部の平地15センチと予想されている。東京23区でも10センチが見込まれている。