裏金事件で大揺れの中…小渕優子氏が天下取りへ始動 茂木幹事長と決別し平成研〝奪還〟へ

派閥の政治資金パーティー裏金事件で現役国会議員が立件され、派閥解消を巡る動きで自民党が大揺れの中、小渕優子選対委員長がついに〝覚醒〟した。過去の自身の政治資金を巡る批判もなんのその。天下取りに向けて、いよいよ動き出したというのだ。
党では2日から政治資金規正法違反事件に関係した安倍派、二階派、岸田派の議員約90人を対象に事情聴取が行われている。聴取は森山裕総務会長、渡海紀三朗政調会長ら党執行部6人が行っており、選対委員長の小渕氏も加わっている。これには聴取される議員側から「政治資金で問題を起こし、秘書が逮捕された小渕氏が担当しているのはおかしい」と不満の声が出るのも無理はない。
小渕氏は2014年に関係する政治団体が支援者向けに開いた観劇会を巡る収支で虚偽記載が判明。元秘書が有罪判決を受け、自身も経産相辞任に追い込まれた。
「小渕氏の秘書がデータが入ったパソコンのハードディスクをドリルで破壊していたと報じられ、〝ドリル優子〟のあだ名が付いた。今回の裏金問題でも逮捕された安倍派の池田佳隆衆院議員の秘書がパソコンをドライバーで壊していたことから〝ドライバー池田〟とやゆされ、小渕氏の事件も蒸し返された」(永田町関係者)
それでも小渕氏は過去のみそぎは済んだとばかりに精力的な動きを見せている。先月末に所属していた茂木派(平成研究会)を退会。昨年死去した〝参院のドン〟青木幹雄氏の長男の青木一彦参院議員、同じく参院の関口昌一議員会長、石井準一国対委員長、福岡資麿政審会長も退会し、茂木派分裂かとざわついた。
「党三役は派閥を離脱すべきとの本来ある党の取り決めに従ったものですが、歩調を合わせるかのように退会が続いたのは、長年敵対していた茂木敏充幹事長と決別し、平成研を本家本元である小渕氏の手に取り戻そうとの動きです。『小渕優子をなんとか首相にしたい』と動いている長老議員らにけしかけられ、小渕氏もようやく重い腰を上げた」(党関係者)
当初、茂木氏は麻生派を率いる麻生太郎副総裁とともに派閥を存続させる意向だったが、小渕氏の動きに自身も派閥を抜けざるを得ないとあって茂木派を解消し、政策集団移行への対応を迫られた。
〝小渕の乱〟をきっかけに茂木派からは船田元(はじめ)元経済企画庁長官や古川禎久元法相、西銘恒三郎幹事長代理ら計8人がこれまで退会している。
「平成研は小渕恵三元首相にお世話になったという議員が多い一方、茂木氏に面倒を見てもらったという議員も増えている。岸田首相が派閥からカネを奪ったことで党総裁と幹事長の権限はこれまで以上に強くなる。茂木氏は次の総裁選までしか幹事長の任期がなく、権限があるうちになりふり構わず巻き返しに出てくるのでは」(同)
小渕氏が平成研本家の座を巡って茂木氏とのガチンコバトルを制した暁には、首相の座が見えてくるだろう。

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