小澤征爾さんと交友 安藤忠雄さん「まだまだ、という思いがあったのでは」

6日に死去したクラシック音楽界の世界的指揮者、小澤征爾さんと35年にわたる交友がある、建築家の安藤忠雄さんが産経新聞の取材に応じた。小澤さんの人柄について「自由奔放で、人間がチャーミング」と語るとともに、「きっと本人には、まだまだいけるという思いがあったのではないでしょうか」と故人をしのんだ。
「自由奔放で、人間がチャーミング」
もう35年くらいの付き合いになります。そういえば、長野県松本市で開かれる音楽祭で、オペラの舞台をデザインしたこともありました。
かけがえのない人でした。文化は力といいますが、国際的な信用力という点で、小澤さんは日本の信用を引き受けていた人だという感じがします。
私は音楽はあまり分からないのですが、1990年代に兵庫県尼崎市のアルカイックホール(市総合文化センター)で公演をされていた頃は、いつもうかがっていました。
自由で勇気があって、とてもユーモアがある。小澤さんのような魅力のある人はそうはいません。
小澤さんは、かつてヨーロッパをスクーターで回って音楽の修業をしました。骨太で心優しい人だからできたのでしょう。日本にクラシック音楽のファンが多いのも、小澤さんのおかげだと思います。
自由奔放で、人間がチャーミング。私が海外に出掛けたとき、小澤さんの公演が重なっていると、「一緒に飯食おうぜ」と誘ってくれることもありました。
恩師をしのんで松本で音楽祭を引き受け、続けてゆきましたが、その持続力や責任感も素晴らしいことだと思います。
きっと本人にはまだまだいけるという思いがあったのではないでしょうか。それだけに、残念でなりません。(談)

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