小池百合子氏が動き出した「総理へのショートカット戦略」 4月の東京15区補選出馬で「自民党の救世主」になる可能性も

裏金問題で風前の灯火となっている岸田政権の命運。今年9月に控える総裁選で、岸田文雄・首相の再選はもはや難しいだろう。そんな中、「女性初の総理候補」として3人の名前が取り沙汰され始めた。そこに待ったをかけるのは──。「女の戦い」の火蓋が切って落とされた。
相変わらず抜群の政局観と行動力である。裏金問題で自民党の屋台骨がゆらぐ中、小池百合子・東京都知事が突然、国政の表舞台に登場した。
2月2日、小池氏は自民党本部で茂木敏充・幹事長に面会し、続いて官邸を訪ねて岸田首相と会談したのだ。
折しも、選挙買収で起訴された柿沢未途・前法務副大臣が議員辞職し、東京15区の補欠選挙(4月28日)が決まったばかりのタイミング。自民党内では、「補選での自民党との選挙協力を話し合ったのでは」との見方が流れているが、本人は「子育て政策について意見交換した」と語って記者たちを煙に巻いた。それでも、落ち目の岸田首相とは対照的に、会談の“主役”は彼女のほうだったと印象付けたのだ。
「こんな時期に官邸に出向いた狙いは、“岸田がダメでもまだ小池がいる”と存在をアピールするため。彼女は初の女性総理を諦めていない」(小池ブレーン)
黙って見ていられない
岸田内閣の支持率がどん底となり、自民党内には「こうなってはもう女性総理を出すくらいしないと選挙に負けて下野することになる」(閣僚経験者)との危機感が強い。
次期総理の座をめぐる「女の戦い」はすでに始まっている。
9月の自民党総裁選に出馬が有力視されているのは高市早苗・経済安保相、小渕優子・選対委員長、そして上川陽子・外相の3人だ。
高市氏は「戦わせていただきます」と早くから総裁選出馬を公言して党内に「『日本のチカラ』研究会」を設立、推薦人集めを進めている。能登半島地震を受けて岸田首相に「大阪万博延期」を進言するなど、存在感を見せようと躍起だ。
一方、久しぶりの重要ポストに就いた小渕氏も、総裁選への意欲をにじませている。
「これまでは過去のスキャンダルを気にして目立たないようにしていたが、昨年、後援者を前に『総理になるから待っててください』と宣言した。派閥解散の流れに乗って茂木派を離脱したのも、総裁選に向けて小渕グループをつくるためだろう」(政治部記者)
そして“本命視”されているのが上川外相だ。
物議を醸した麻生太郎・副総裁の「このおばさんやるね」発言も、「新たなスター、新しい人がそこそこ育ちつつある」と上川氏を女性首相候補として持ち上げる趣旨だった。上川氏は「どのような声もありがたく受け止めている」と応じた。

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