沖縄県宜野湾市の国道で女性を引きずって放置し、走行してきた車にひかせて殺害したとして、県警は12日、殺人容疑で女性の知人で同市大謝名の建設作業員、古謝勝也容疑者(30)=脅迫容疑で逮捕=を再逮捕した。女性が車にはねられる直前、通行人から「男が女性を引きずっている」との110番通報があったため、県警は何者かが車に女性をひかせた殺人事件の可能性もあるとみて慎重に捜査を進めていた。
再逮捕容疑は1月27日午前2時5分ごろ、同市大山の国道58号で、同市のパート店員、玉城まゆみさん(58)を歩道から道路中央付近まで引きずってあおむけで放置し、走行してきたタクシーにひかせて殺害したとしている。
県警によると、古謝容疑者と女性との間には金銭トラブルがあり、今年1月、女性が4回にわたり、県警に「(古謝容疑者から)暴行を受けた」などと通報。那覇署が古謝容疑者に口頭で警告するなどしていた。
捜査関係者によると、古謝容疑者は犯行前日の同26日夜から同市内の飲食店で女性と酒を飲んでおり、27日未明、タクシーで現場付近まで移動。その後、古謝容疑者が倒れたままの女性の腕を両手でつかみ、道路中央まで引きずる姿が通行人に目撃されていた。
現場付近は街灯などの明かりも少なく、路上にあおむけで横たわっていた女性をひいたタクシーの男性運転手は「避けきれなかった」と話しているという。
古謝容疑者は今月1日、脅迫容疑で逮捕されていた。県警は目撃情報や現場周辺の防犯カメラの映像などから古謝容疑者の犯行を特定。今回の事件を「通過車両を利用した殺人」(捜査関係者)とみている。
県警は12日、宜野湾署に合同捜査本部を設置し、犯行に至る経緯を調べる。