北海道の寿都町と神恵内村で行われていた、いわゆる「核のごみ」の最終処分場の選定に向けた文献調査。13日に報告書案が公表されました。
資源エネルギー庁・久米孝電力ガス事業部長)
「地域の皆様の声にしっかりと向き合い、説明を重ねながら文献調査プロセスを丁寧かつ着実に進めて参ります」。
「核のごみ」の最終処分を行うNUMOは先ほど、経済産業省の作業部会で文献調査の報告書案を提出しました。
高橋昌幸神恵内村長)
「当初の予定よりかなり遅れた感はありますが、私はそれだけ丁寧に調査された結果だと受け止めています」。
文献調査の報告書案では、積丹岳の噴火の影響を避けるため、神恵内村では村の南側の一部と沖合15キロまでの海底の下が次の段階の調査の候補になるとされています。
神恵内村民)
「別に(核のゴミを)埋めるわけじゃないんで、次の段階でしっかり調査した結果、日本全国でこういうことをしっかりと考える良いチャンスじゃないですか」。
一方、寿都町では町内の全域と沖合15キロまでの海底の下が、次の段階の調査の対象とされています。避けるような場所は確認されなかったということです。
町民)
「実際に地質を調査して最終的に出た結果について判断してもらいたいと思う」。
町民)
「何があってもOKと出るだろうと予測していた。能登地震があったりしているわけで、文献調査の中にそういう評価が入っているか興味はある」。
町民)
「建設に繋がる一歩だとも思っていないし、あくまでも通過点だと思っている」。
今後、次の段階の調査に進む場合は、北海道知事の同意が必要になります。ただ、鈴木知事はこれまでに「現時点では反対する」という内容の発言を繰り返しています。
文献調査の報告書は、経済産業省の作業部会などで審議され、完成することになっています。その後、住民に公開され、地元で説明会が開かれることになっています。
最終処分については、3段階の調査が行われます。13日に報告書案が示されたのは、第1段階の文献調査です。この次の段階の調査に、地面を掘って実際に地質を調べる「ボーリング」などを行う「概要調査」があります。
「概要調査」に進む前に、寿都町は住民投票を実施する考えがあります。神恵内村も住民投票は候補の一つとしています。知事の同意も必要になりますが、鈴木知事は「現時点では反対」の考えです。