自民党の甘利明氏(衆院比例南関東)が幹事長在任中に支出した政策活動費3億8千万円を巡り、14日の衆院予算委員会で立憲民主党の井坂信彦氏は「自身の選挙に使ったのではないか」などと使途を追及した。岸田文雄首相(自民総裁)は「党勢拡大のため適切に支出していると認識している」と答弁。甘利氏も神奈川新聞社の取材に「選挙になれば各党は野党を含め政策対応として(政策活動費を)使っている」と不適切支出との指摘を否定した。
同日付の中国新聞は、甘利氏が党選挙対策委員長を務めていた2019年の参院選で、政策活動費を原資として各公認候補側に1人100万円の「陣中見舞い」を配っていたと報じた。政策活動費には公開義務がないことを挙げ、「裏金化」を指摘している。
質問などによると、甘利氏へは21年10月1日から同11月4日までの幹事長在任35日間に、総裁である岸田首相の決裁で3億8千万円が8回に分け支出された。衆院選はこの間の10月31日に投開票されている。党関係者によると「テレビCMなど当時の広報活動への支払いに充てた」という。
この日の審議で井坂氏は中国新聞の報道も引き「公党として政策活動費の使途は明らかにすべきだ」と追及。岸田首相は「外部の政治勢力に手の内を明かすことになる」などとして説明を拒んだ。