盛山文科大臣「ハグありえない」教団関係者の新証言を否定 “裏金”で更迭の松野前官房長官辞任直前に4660万円の「官房機密費」を支出【news23】

13日の国会で、旧統一教会関係者の新たな証言について、盛山文科大臣が「記憶にない」などと否定しました。一方、不透明なカネをめぐって名前が挙がったのは松野前官房長官。裏金問題の渦中に4660万円の「機密費」を支出していたことがわかりました。
不記載額19位の松野氏“裏金”渦中に機密費4660万円支出
裏金事件を受けて自民党が行ったアンケート調査。対象の384人中、85人にパーティー券収入の不記載があったことが明らかになりました。
立憲民主党安住淳国対委員長「今計算してると、20人以上が1000万円以上の不記載」
不記載額の大きい順に並べると、トップは3526万円の二階元幹事長。19位にランクインしたのは松野前官房長官でした。その松野氏に新たな火種です。
立憲民主党馬場雄基衆院議員「あろうことか疑惑の渦中にいた松野博一前官房長官が、更迭直前の12月、4660万円の機密費を自らに支出していたことが明らかになった」
追及されたのは、官房長官が自由に使えて使い道を公表する必要のない「官房機密費」です。
松野博一官房長官(当時)(2023年12月)「政府の立場として発言することは控えたい」
2023年、裏金問題で連日質問をかわし続けていた松野氏。12月14日に官房長官を事実上更迭されるまでの2週間で、官房機密費4660万円が松野氏に支出されていたと報道されたのです。後任の林官房長官はこれを事実だと認めました。
林芳正官房長官「昨年12月、私に引き継がれるまでの間に4660万円が使用されたことは事実。報道が松野前官房長官個人に支出したかのように受け取られているとすれば、そうした事実はない」
立憲民主党道下大樹衆院議員「松野氏自身で使ったわけではないと、どのように立証、証明されるのか」
林芳正官房長官「国の機密保持上、使途等を明らかにすることが適当でない性格の経費として使用されてきている。お答えを一切差し控えている」
立憲民主党道下大樹衆院議員「何に使ったか証明・公表しなくていい、これは問題であると思う」
当の松野氏は…
松野博一前官房長官「法律で報償費(官房機密費)の支出先は官房長官で処理すると決まっている。(Q.国民に疑念を抱かれる使い方していない?)それはもう公益、国益に則った使用がされている」
盛山文科大臣への追及続く教団側の新証言を否定「ハグはありえない」
13日も国会で旧統一教会との関係をめぐり追及を受けたのは盛山文科大臣です。
立憲民主党道下大樹衆院議員「両隣にいる方も覚えていませんか」
盛山正仁文科大臣「ちょっと私はどなたかわかりません」
旧統一教会の関連団体からの「推薦状」を持って写る盛山大臣。「誰だかわからない」と言われた隣に立つ人物が12日、取材に応じ、こう話していました。
旧統一教会の関連団体関係者「私は(盛山大臣に)10回以上会っている。覚えていないのはおかしい。(前回の衆院選の際)岸田総理が応援演説に来られた時に、向こう(盛山大臣)は『お世話になっています』とハグまでしてくださいましたからね」
立憲民主党山岸一生衆院議員「ハグをした、これは事実ですか」
盛山正仁文科大臣「私は昭和20年代の最後のほうの生まれでもございますので、私どもの年代でハグをするのは普通はありえない。全く記憶にありませんし、そういうことをすること自体考えられません」
盛山大臣が手にしている「推薦状」について、教団の関連団体が掲げる政策に賛同すると署名したうえで手渡されたものだと関係者は証言しています。
旧統一教会の関連団体関係者「『サインをしてくだされば応援します、支援します』と話して、(盛山大臣)本人が見てサインをなさって、『サインしました』ということで。それを受けて応援しますということで(関連団体側も)スイッチが入ったわけです」
立憲民主党山岸一生衆院議員「がっつり合意して応援をもらっていれば、言い出したのが旧統一教会側であろうが大臣からお願いしたんだろうが、外形的には同じなんです。旧統一教会側から応援を受けて選挙を戦った、この事実をそろそろ認めるべきではありませんか」
盛山正仁文科大臣「選挙の時期に急に地元の有権者から、集会をするから来るように言われて伺ったということだけでありまして、旧統一教会の方に対して何をしてくれということをこちらのほうから言ったことはございません」
盛山大臣は教団に対し解散命令請求を行うなど適切に対応してきたと強調しましたが、野党側は引き続き追及する構えです。
松野前官房長官「機密費」何に?辞任直前に4660万円
小川彩佳キャスター:政治と金をめぐってはまたひとつ使い道の公開義務がない「官房機密費」の問題が浮上しました。そもそも「官房機密費」とはどういうものなんでしょうか。
TBSスペシャルコメンテーター星浩氏:予算額は年間でだいたい12億円、1か月に1億円ほどが2回か3回に分けて官房長官に支出されるものです。外交上の情報収集に使われることが多いといわれていますが、裏金問題で政治家に対する信頼が地に落ちていますので、「一体何に使われているんだ」という疑念が生じるのは当然です。松野さんが私的に使ったとは思えませんが、やはり国民の税金ですから、少なくとも何年か経った後には「こういうものに使った」と公表・公開する仕組みを導入する必要が出てきたのかなと思います。
小川キャスター:更迭の2週間前に支出されたということですからね。
自民党アンケート結果公表収支報告書85人が不記載
藤森祥平キャスター:裏金問題を受けて自民党が実施したアンケート結果が公表されました。収支報告書への不記載が判明した議員たちは85人にものぼりました。
おととしまでの5年間で不記載額が多かった議員は、1位が二階元幹事長の3526万円をはじめ、2000万円規模、1000万円規模と続いています。ただ、この中には高額の不記載で起訴された大野泰正被告や池田佳隆被告、谷川弥一元議員は含まれていません。すでに党を除名されていることから調査が及ばないということです。
東京大学准教授斎藤幸平さん:オリンピアンもいて、そうそうたるメンバーだと思います。4000万円で起訴か不起訴かのラインが引かれてしまっているのはおかしいなと感じますし、なんなら二階さんを起訴しないための線引きが4000万円だったんじゃないか、忖度があったんじゃないかと勘ぐってしまいます。しかも、二階さんが“書籍代”と訂正したという点も納得いかないなと思います。
収支報告書修正も「不明だらけ」
藤森キャスター:使い道をめぐって自民党の議員が収支報告書の修正・訂正を行っていますが、そのやり方に疑問の声があがっています。
例えば安倍派幹部の高木前国対委員長が代表を務める政治団体の収支報告書(2022年分)には、一部に金額が書いてありますが、収入・支出の欄に「不明」、使途についても「不明」がいっぱい並んでいます。
安倍派幹部の萩生田前政調会長も、1度額を書いていますが、訂正・修正して「不明」に直しているという状況です。
「不明」の内容について萩生田前政調会長が13日夜にコメントを出しました。「誤った内容を記載することを避ける意味で『不明』と致しました」、判明次第訂正するということです。何かごまかしたり、隠したりする意図があったわけではないということです。
今後の焦点は「脱税」にあたるかどうか
星浩氏:今、自民党の中では何に使ったかをどこまで公表するかをめぐって混乱しているようです。この議員は発表するのか、この議員はどこまで喋るのかということで、萩生田さんもお互いの様子をうかがっているという状況なんです。
全く使い道がはっきりしないとなると脱税にあたるということになり、課税される可能性もありますし、使い道がはっきりした場合は領収書があるのかというと領収書はないので、なかなか発表できない状況です。議員によっては自分の口座にお金を入れてるケースもあり、かなり脱税に近い状況です。キックバックされたお金がどのように使われたのか、不明朗であれば脱税になるのかどうかということが、14日以降の国会審議の焦点になってくると思います。
小川キャスター:11月にこの問題が報じられてから約3か月、党内でアンケート調査なども行われていますが、中身をみても「やっています」というポーズにすらみえないというか、実態解明も再発防止も本気度がみえないという状況で進んでいますよね。
東京大学准教授斎藤さん:国民の怒りは最高潮だと思います。官房機密費や政策活動費の問題はこれまでも指摘されてきましたが、これほど注目や怒りを集めたことはなかったと思うので、これを機にしっかりと官房機密費や政治資金規正法のあり方について見直していく必要があると思います。もちろん裏金問題は問題だし違法はだめですが、違法じゃないパー券文化の企業献金とか、政策活動費などおかしい問題はあるので、野党も含めてもっと考えてほしいというのが1点。
もう1点は、「不明」とか、「お答えを控えさせていただく」という形で、説明責任が十分に果たされていないと思います。
岸田総理も先頭に立って説明していくという姿勢は示されてますが、ただ仲間をかばっているようにしかみえません。正しいリーダーというのは、しっかり部下に責任を取らせて、その上で自分も責任を取るというものだと思いますので、そういう姿勢をみせてほしいと思います。

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