小学生2人が犠牲 放火殺人事件で懲役30年の判決 父親は「納得いかない、控訴したい」 遺族代理人は「有期刑が出たのは想定外」

小学生の兄弟が犠牲となった兵庫県稲美町の放火殺人事件。検察が死刑求刑した伯父の男に、神戸地裁姫路支部は15日、懲役30年の判決を言い渡しました。判決のあと記者会見した遺族は、開口一番「納得がいかない」と話しました。 亡くなった子どもたちの父親は、「子どもたちを道具としか思っていない。命の軽視を感じた。何の落ち度もない2人を、放火という残虐な手段で殺害したにも関わらず、30年という有期刑なのは納得いきません」と話しました。《死刑や無期懲役でなく「有期刑」となった》 遺族の代理人を勤める立花隆介弁護士は、「有期刑が出たのは想定外だった」と述べたうえで、「過去に1~3人が亡くなった事件で、死刑が求刑されたものの判決の一覧を見ると、これまで有期刑はなく、死刑か無期懲役か。(今回が)それらの事件と比べて最も軽い事件なのか、というのは感じた」と話しました。 神戸地裁姫路支部は判決で、「立ち入ったことが分かるようにドアに紙を挟んだり、冷蔵庫前に防犯カメラを設置した妹夫婦の行動は、同居親族に対する行為として明らかに行き過ぎであって、被告が人として扱われていないと受け止めたのは無理からぬこと」としています。 これについて、亡くなった子どもたちの父親は、「張り紙や防犯カメラ、どうしてそれをしなければならない状況になったのかをもっと明らかにして、どうして僕たちが松尾被告に『部屋に入るな』と(直接)言わなかったのかについても、次のたたかいで明白にしていきたい」と述べました。そして、「私たち夫婦は控訴したい、検察庁にも伝えた」と話しました。 神戸地検姫路支部は、「判決内容を精査し、上級庁とも協議をして適切に対応したい」としています。

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