無登録でFX仲介、4容疑者を逮捕 1350億円の投資集めたか

無登録で外国為替証拠金取引(FX)の投資を仲介したとして、福岡県警など6府県警は21日、シンガポールに拠点を置く「スカイプレミアムインターナショナル」社の最高経営責任者(CEO)、斎藤篤史容疑者(45)=東京都中央区=ら4人を金融商品取引法違反(無登録営業)容疑で逮捕した。
福岡県警によると、同社は2013年の設立から21年12月までの間に、全国の約2万6000人から計約1350億円の投資を集めたが、大半の金の行方が分かっておらず、実態解明を進める。無登録営業の疑いで摘発された法人が集めた投資額としては07年以降、最大規模だという。
他に逮捕されたのは、同社営業統括責任者、水島忍(59)=横浜市旭区▽同社役員、高瀬正志(53)=東京都中央区▽同、田中雅祥(41)=長野県軽井沢町――の3容疑者。
逮捕容疑は共謀して19年12月~21年6月、金融商品取引業の登録を受けないで、福岡や広島、大阪、千葉など5府県の当時20~50代の男女6人に、FXに関する投資を一任する契約を仲介したなどとしている。県警は4人の認否を明らかにしていない。
同社を巡っては、証券取引等監視委員会が21年9月、登録がなく、運用実態も確認できないとして、東京地裁に事業停止を申し立てた。監視委によると、同社は全国各地で投資セミナーなどを開催。約500人の勧誘営業員が講師となって、FXで運用する「ライオンプレミアム」という投資商品を契約するよう勧誘していた。商品は会員のみが契約でき、営業員たちは「年利20~30%ぐらいで10年近く運用実績がある」「必要な時はいつでも出金できて安心」などと投資を持ちかけていたという。
東京地裁は21年12月、同社と水島容疑者に対し、金融商品取引法に基づく業務の禁止及び停止命令を出した。返金を受けていない投資家たちが福岡など各地で相次いで集団訴訟を起こしていた。【佐藤緑平】

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