裁判官弾劾裁判、弁護側が岡口判事の不罷免求め結審 3月27日判決

ネット交流サービス(SNS)への投稿で殺人事件の遺族を傷つけたなどとして訴追された仙台高裁の岡口基一判事(58)=職務停止中=の公判が28日、国会の裁判官弾劾裁判所(裁判長・船田元衆院議員)で開かれ、判事側は最終弁論で改めて不罷免を求めて結審した。判決は3月27日。
判事側は「裁判官としての威信を著しく失うべき非行があったとは認められない。訴追された一部の行為は訴追期間(3年)を経過し、審理の対象外だ」と主張。岡口判事は最終意見陳述で「遺族の方には不快な思いをさせてしまい、重ねて謝罪を申し上げる」と述べた。
裁判官の任期は10年ごとに更新され、岡口判事の任期は今年4月12日まで。岡口判事は再任を希望せず、退官する意向を示している。弾劾裁判の判決は罷免か不罷免しかなく、罷免となれば、裁判官の身分に加えて法曹資格を失い、退職金も支払われない。
過去の罷免判決は、ストーカーや児童買春などで有罪が確定した裁判官が多く、SNSの投稿で罷免となれば異例の判断となる。
岡口判事は東京高裁判事だった2017年12月、東京都江戸川区の女子高校生が殺害された事件について「首を絞められて苦しむ女性の姿に性的興奮を覚える性癖を持った男」「そんな男に無惨にも殺されてしまった17歳の女性」などとツイッター(現X)に投稿するなど、19年11月までの計13件の表現行為で訴追された。【遠藤浩二】

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